ライブは誰のためのものか/「NFパンチの収録してきた」エピソード4
はっちゅ「皆さんこんにちは。というわけで、月一連載エピソード4でございます。」
は「で、今回は議論の参加者だったモリタさんとDMでやり取りしました。ちなみに以前から面識があって前回収録のときに作戦会議したフォロワーさんの一人であることを補足しておきます。」
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は「とりあえず今日お伺いしたいことの1つが、収録のあと激おこでしたよね?っていうことで…もしまとまってたり差し支えなければ聞いてみたいんですけども」
モリタさん「まず単純になんでそんなライブみんな行かないの?ってとこでしたね(笑)かけてる額とか熱量の違いとか追っかけてるものの差がって感じで。」
は「でも、間違いなく「ライブハウスの若者の人口はめっちゃ減ってる」って論点はすごい印象的だったと思うし、実際Twitterでもそういう反応あってですね。チケ代高い?って議論を拝見していて一番大きな問題だなあと思ったのは、「音楽業界にとってライブが大きな収益の柱となってる」って前提があって、でも小さいライブハウスレベルだと若い人は特にすごく減っていてっていう状況が物凄くこのテーマの象徴的なところだと思ってます」
モ「客層は未婚の方は各年齢層来ますけど、20~40代前半くらいの既婚の方かつ子持ちの方はほぼいなくて、お子さんに手がかからなくなってたきた年齢の高い既婚の方が来ててってのが上の方で。下の方はなにかしらのきっかけでコロッと紛れ込んだみたいな人間がチラホラいるくらいですね。
若い子がファンとして支えてるバンドもありますけど、そういうところはディッキ履いてるウェイウェイしたところが多くて私は無理でした(笑)あと同じ系統のバンドだとファンがほとんど同じ人っていうパターンも多々あります(笑)一部の人がいっぱい行ってるから支えられてるって側面は大きいかもしれません」
は「どの業界もそうなんですね…(一部の人
そういう意味でも、妊娠中は無理としたって育児中でも負担なくライブとかフェスいける世の中なら、って問題意識な訳ですもんね。」
モ「ライブハウスなんて一部中の一部ですからね(笑) そうなんですよ。ディズニーみたくレジャーのひとつとしてこどもと一緒にフェスやライブに行けるってなってくれたらなぁって思うんですよね。」
は「モリタさん的に、現状フェスとかライブがまだ「家族」とか「子連れ」は行きにくい、ディズニーとかUSJに比べるとまだその環境が整ってないってことですかね?」
モ「整ってないと思います。 金銭的な面がまず大きいんですよね。ロッキンとかCDJは小学生からがっつり大人と同じ料金取られるんです。小学生2人の4人家族でロッキン行ったらチケット代だけで5万超えて、ディズニーなら2万くらいなんです。ロッキンがもし小学生以下無料ならチケット代はディズニーよりちょっと高い位になるんですよね。その点フジロックが今年から中学生以下無料になったのは大きいなと感じます。 環境面的には室内でもCDJはこどもいても過ごしやすいとは感じました。実際未就学児を連れた人はチラホラお見かけしましたが、小学生連れてる人は少なかったです。ロッキンは行ってみてって感じです。 ライブハウスの問題点はありすぎるので省略します(笑)もともと親子連れじゃなくても不便なところが多いのでまずそこの改善がないと無理って思ってます。」
は「雰囲気とかはどうですか?フジロックは結構子供が遊ぶ場所多い印象で、CDJやビバラあたりはまだハードの面の整備が進んでるのかなと思うんですけども子供が行っていい雰囲気にはなってるのかなぁ、という疑問はモリタさんが見ているなかでどう思われますか?」
モ「案外こどもってどんな場所でも楽しさ見つけられるので(笑)CDJだと縁日みたいなのあったりもしてあそこ子供絶対好きです。ミラーボールのキラキラとかも好きなこども多いので。CDJはちょっと暗くてキラキラしてるのはこども好きだろうなって。 非日常感ってこどもでも感じて楽しめるので。 ビバラは私が行ったのが初年度だったので変わってるかもしれませんが屋内っていうのとメインステージならスタンドの柔らかい椅子に座りながらぼんやり見ててもいいし、外に出てご飯食べてもいいなって感じてます。
行っていい雰囲気なのかっていうのは、分かりません。今のところ家族に関してのアプローチがフジロック以外ないので、アプローチをしていけば親子連れは増えるのではないかと考えています。こどもが増えちゃえば雰囲気出てくるんじゃ…ということも考えてます。家族がくるようになる→不便なところについての声が上がる→改善される→もっと家族がくる→さらに…ってクルクルすると思うので、」
は「そうなるとやっぱライブハウスの規模感だと音も大きいし大変なのかもですね、あと、たまアリとか横アリは周囲にショッピングセンターあったりとかして、何かあっても物資を調達しやすいから安心なのかもしれないです。心理的には向かいやすいのかもですね」
モ「音も大きいし、夜も遅いし、再入場は出来ないし、泥酔するやつもいますし、煙モクモクですし。 何かあっても物資を調達できるのは重要です◎こどもって何やらかすか分からないですから…最悪現地調達できる安心感ははんぱないです(笑)」
は「都市でフェスが増えてるのも、案外その利便性ってあるかもしれないですね。お店が近くに絶対あるっていう安心感。」
は「もう1つジュイさんと意見交換したかった事案としては、コンサートを企業がスポンサードすることについてで、収録でもドリカムの例出してたじゃないですか。その辺りの見解をお聞きしたいです。是が非か、どこまでやったらアウトとか。」
モ「私はスポンサーはありだなぁって思ってます。良いもの作ってくれて、お金も安くなるのなら別に気にしないです。ドリカムの時は開場から開演までの1時間半あなたのーようにー♪ってかんぽのCM流れっぱなしだったので。そこは飽きましたけど、ライブ本編は素晴らしかったので。センターステージかつクルクルステージが回るなんて正気の沙汰ではないステージだったので。」
は「みました、すげえ…資本の力… 変な話、CMヘビロテの件以外は本当に違和感なくライブを楽しめたってことですよね?主観で良いので、平常のライブと比べてどうとか」
モ「お金って凄い…これは人様の保険料…って思いました(笑) 蓄光塗料が塗ってあるお面が席の上置いてあってあるところの演出でつけてボワァァって光ったのとかも凄かったですもん。
平常のライブと変わらなかったです。これが10年くらい前でドリカムが当時タイアップしてたカゴメとアサヒがスポンサーだったら受け入れられたかはわからないです。 会社が保険だったからそんな全面に出なかったのかなとも思ってます。 でも美和さんがMCでカゴメのトマトジュースで作ったお酒おいしいよ!と言ってたら…って考えましたけど、多分気にしないかも…。」
は「>会社が保険だったから全面に出なかった
それはあると思いますよ、全面的なコラボっていう感じはしづらいし、どうしてもねじ込むと違和感しかないですし
あとドリカムだからってのもあるかもですね。サカナは微妙かもしれないですし、そういうアーティスティックな部分を尊重して干渉しないで居てくれる、企業と対等に張り合える存在とかじゃないといかんのでしょうねきっと」
モ「あそこまでステージ凝ってたら相当金入ってるんだろうなとは思いました。 企業と対等に張り合えるだけの価値を持ったアーティストでないとスポンサーつけてはいけないだろうなと感じます。 ドリカムは吉田美和という神様がいる宗教に入信してついていくという感じですから。 さっきの美味しいよ!発言をもし中村正人さんがやったら意味無いよなとも考えてました。
スポンサーで思い出したのは、Perfumeの武道館の時に売店の商品がほとんどポッカの製品だったってことです 笑」
は「あっちゃー…まあその辺は、本人がポッカの製品あからさまに飲んだりしなければマシなんですかね 笑」
モ「キレートレモンキレートレモンうるせぇ!って若干引いてたのは思い出しました(笑)」
は「僕の見てるところだと、ここ最近の新日本プロレスは大体どの興行でもどっかしらスポンサーが付いていて、コラボとかも盛んなんですけど、プロレス自体には大して絡んでないんですよね。試合の内容に介入するのが不可能ってのもありますけど。
一回あったのはバンナムがスポンサーについて、オカダカズチカが鉄拳のキャラのコスプレして試合したくらいで、あとはリングにスポンサーの名前入ってるとか。」
オカダ・カズチカが「鉄拳7 FATED RETRIBUTION」とのコラボコスチュームでリングに登場!!
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2017年1月22日
1.22後楽園大会を新日本プロレスのスマホサイト(https://t.co/7xh3nqaLQZ)で独占詳報中!!#njcmll #njpw #cmll #鉄拳7 pic.twitter.com/xlFNQYeG69
モ「わー!こういうコラボなら嬉しいかもです。ファッション系のところとコラボして衣装提供あり、実店舗で同じデザインが買えるとかもあったら楽しいかなって今ふと思いました。ほんとスポンサーが本編へどれだけ介入してくるかってところがあるのかもですね。」
は「だから1つのボーダーラインとして、ライブ本編中に違和感ある形で製品の宣伝してたりとかしたらアウトみたいな感じですかね。平常のライブとの違いがありすぎて嫌だ、みたいな論理構造で」
モ「違和感ある形での宣伝はしてほしくないです。 でも美和さんだったら許せる気がするので、人によるのかもとおもいます(笑) 非現実から現実に引き戻される感が宣伝されることで現れるのではないかと思います。」
は「そう考えるとタレントさんがCM出るのとバンドがこうやってスポンサーつくのって何が違うんですかねー…」
モ「CMってそれだけで完結しますけど、バンドのスポンサーってどこまでくっついてくるかわからないってところなんじゃないかということと、非日常というライブの中にぽっ!と日常臭漂うものが入るのに抵抗感があるんじゃないかと思いました。」
は「例えばタイアップついた曲があったとして、その曲の雰囲気はバンドの一側面でこそあれ、全てではないじゃないですか。 でもライブ全体にスポンサーがつくと、その一側面だけが全体を支配してしまって、違和感だったり日常さだったりが目立ってしまうのかなと」
モ「タイアップの曲はそのアーティストの1つの側面になるけど、ライブのスポンサーはそのライブ全体を覆ってるみたいになるから違和感を持つっていう感じですよね。あとスポンサーがライブに大きくつくことってまだまだ少ないので、未知数な感じが不安になる要因なのかなとも思ってます。」
は「逆に言えば、僕もジュイさんも(これはアウトだなっていう基準含めて)スポンサーがつくことに対して特にアレルギーがない、むしろ慣れてるのはあるかもしれないですね」
モ「そうだと思います。」
は「なんかいい感じでまとまりましたけど 笑」
モ「まとまったのでこれでいいと思います(笑)」
は「最後に、チケ代の議論全体通じての感想とか、あと触れてない部分で物申したい(?)ことがあればお願いします!」
モ「貴重な経験だったなぁってこととなんか1人だけ激おこになっててごめんなさいってことですかね。
あとみなさんライブハウスおいで!って思います。私自身、若い人がいない事でライブハウスから心が離れつつあるので。
ライブハウスでやってるバンドがフェス出してって曲書いてるので、その曲みたいな気持ちです。」
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はっちゅ「もちろんこれは、一参加者の話なので、例えばフジやビバラに家族で行かれた方に不便さ感じた方もいらっしゃるだろうし、ドリカムのライブとかみて「アコギだなあ」って思う方も多いとは思うのですが。
あとは途中で話しましたけど、新規のファンを巻き込むかとか、結婚・出産みたいなイベントで離れる人を軽減するか・また戻ってきてもらうためにどうするか、というのはやっぱり業界に参加するお客さんを増やしていかないといけないっていう話で、そうなると環境を整えるための予算確保=チケット代 ということになってしまうわけで。難しいです。
僕自身はこの記事をきっかけにまた議論が活発になればよいなと思って質問を振ったりこうやってブログにしました。僕自身子育ての経験はないですし、僕の・モリタさんの視点での話ですが、もしよかった意見とかもっと見聞きしたいなと思っています。特に子供をフェスやコンサートに連れて行ったことのある方とか。」