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[冬休みの読書感想文]『夏フェス革命』〜ロッキン以外のフェスを語る〜

レジーさんにお話を伺った前回( レジーさんに「フェス・SNS全盛期の音楽の聴き方」を聞いてみた - 自力で元気になるブログ )に引き続いて、今回は「夏フェス革命」に関するブックレビュー、はちょっと上手く書けなかったので、代わりに「冬休みの読書感想文」をお届けします。

というか、本を読んで思ったことは大部分レジーさんとのお話でだいぶ吐き出してしまったので、基本はこの本の中身を下敷きにロッキン以外のフェスの再考察をしていければなあと思っています。

 

鹿野淳さん、という存在とビバラ


まず書きたいこととしては、「実はレジーさんの言う今のフェスの形は、鹿野淳さんの影響がめちゃくちゃ大きいのではないか」ということです。

例えば、この本に書かれている「音楽フェスのハード面・ソフト面の設備そのもの」は、少なくともロッキンに関しては初期に整備されたものがほとんどと言えるんですよね。また、大きく変わったのが参加者の様態、特にSNSの出現以後って話は前回を見ていただければと思うのですが、これ言い変えれば「根っこの、フェスそのものは変わってない」ってことなんですよね。

例えばブッキングにしても、本から引用すればMr.Childrenとゆずのブッキングの頃から「アクロバティックな論理」でのロック認定がなされていたりとか。これが2001年の話。
「他のフェスに行くたびに『地元のものが食えるのっていいよなあ』と思っていたら」と2003年の段階で鹿野さんが書いていたりとか、もそう。

こういうのが、どこまでが鹿野さんの考えで、どこまでが渋谷陽一さんの考えで、どっからは他の人なのかとかはもう知る由も無いです。

ただ僕の中で鹿野さんってめっちゃ食い意地が張ってる人だし(褒めてる)フェスのホスピタリティに関する部分の造詣も深いし、ってのを知ってるのでそう思ったってのがあります。
何より、鹿野さんたちが中心となって行なっている「VIVA RA ROCK」が"ああいう"フェスに仕上がっているってのが何よりの証拠だと思うんですよね。

 

ああいう、ってのはあんまり伝わらないな。いったことない方々に向けて話せば、ビバラは日本のフェスの中でもトップクラスに「雰囲気がリア充」なフェスなんですよね。もうびっくりするくらいわっちゃわちゃしてる気がする。これはロッキン以上にすごいかもしれない。

 でも、例えば出演者は「わかりやすくロック」な人たちに絞ってブッキングしていてバンド中心だし、その中にいてもいいメンツでも例えばback numberとかmiwaって全然出る気配ないんですよねとか。

その代わりに、ロッキン系にには滅多に出ないSiMやSHISHAMOがほぼレギュラーで出ていたりしている。

 

ロックというものの純度が高いフェスであっても「君と夏フェス」みたいな雰囲気になり得るのは不思議ですよね。てかあのMVの舞台ビバラだしね。

ビバラとCDJはほぼ毎年行ってて、ロッキンは去年ひっさびさに行った体感で言えば、「夏フェス」っていうもののブランディングは完全に成功していて、その代表格かつ1番行きやすいところとしてロッキンが位置付けられている。ビバラはまだそこまで行ってないかなー、という感じです。

ビバラって「フェスって楽しそうだよね!バンドよく知らないけどみんなで行こー☆」(僕が最大限再現できる"そういう人たち"の文面)みたいな人って割合としてそんなにいない気がするんですよね。

以上のことから導き出される結論としては、「ロックファンの大部分が限りなくリア充化している」なんですけども。

 

 

 

 

あとめっちゃ脱線しますけど、おそらくだけどビバラとULTRA JAPANって客層殆どかぶってなさそうというか、どっちも行く人相当マイノリティだと思うんですよね。ロッキンやサマソニとウルトラならわかんないですけど。あと僕が行ったことあるやつだと、泡パとも絶対被ってないと思う。

ああいう場所の音楽ってフロア沸いてる曲ですら僕なんかは全く知らないんですけど検索かけてみたらYouTubeで再生回数億行ってたりとか普通にあるんですよねえ、パリピっていう人たちもそのイベントで流れる音楽わかって選んでる感もあるのかなあ(でもこないだ行って1番沸いてた曲は「come again」とかだった)

 

ビバラとTIFとか、あとビバラと@JAM EXPOは、うーん僕自身がそうだからってバイアスかかってますけど、まあまあいる気はします。実は、参加者が「アイドルオタク」というより、「そのグループの固定客」って言い換えるとだいたい1アクトごとにどのくらいの規模感かってわかりやすいと思うんですけども。

 

さらに脱線すると実はビバラって全然チケット売り切れてないんですよね。去年だと半分京都大作戦みたいなメンツだった3日目だけ売り切れてた。

これ完全にロッキンとCDJが(ほぼ勝手に)毎回売り切れてるから麻痺してるんですけど普通フェスって売り切れないし、売り切れる=もっとチケット売っても売れるだから損な気がするんですけど、これもその裏では人多すぎてホスピタリティが犠牲になるという問題があって、難しいすね。

屋内は拡大するにも「その建物の規模」の限界があるので、CDJは今以上の規模を求めたら千葉マリンを使う以外になくてそれは現実的じゃないし、どうなるやらって感じです。

 

 
人々はCDJ1718で何を着るのか

こないだの感想文は各アクトの感想だけ書いた(書けなかった)ので、ここでちょっと書いてこうと思うのですが、去年末のCDJは「夏フェス革命」を読んだ後の、「フェスってこう言うものだ」「今フェスという空間ではこう言う事が行われている」ということを知覚してから行った初めてのフェスだったんですね。レジーさんとのやりとりも真っ最中でしたし。

 

で、まずやったのは服装調べでした

 

多分、28日参加者の3〜4割は何かしらのWANIMAグッズ身につけてたんじゃないかなあ。大抵は僕も含めCDJやロッキンのオフィシャルTでしたけど。僕はそれプラス日常使いしてるレザーの上着が案外快適だったので上着脱がずに参加してました。

 

 

 

翌29日、僕は色々あってCAPSULE見て帰ったんですが、トリ10-FEETだったこともあり京都大作戦のTシャツがめっちゃいました。特にホルモンが出る日のフェスは大作戦TかホルモンTで溢れかえる、というのも数回フェス通ってる方なら体感でわかっていただけると思うんですが。SiM着てる人もいたぞ。出たことすらねえっての。

 

ちなみになんですけど、ホルモンよりWANIMAの方が人口密度すごかったです。どのくらい後ろまでいたかって度合いは同じだったから、下手したらWANIMAの方が動員多かったまでありますね。

 

出演者の偏りもあるんですけど、目視で大体オフィシャル5割、WANIMA or ホルモン or 大作戦3割、その他アーティスト1割、何物でもない服1割、そんなもんでした。大作戦周りの統率の取れ方はなんなんですかね、ビバラもソールドアウトさせるし…

 

そういえば、ロックバンドとか歌手のグッズとしてTシャツやりだしたのって誰くらいなんですかね。浜田省吾はTシャツ売ってたらしいよ(叔父談)

 

あと、これはNFパンチの収録で山口一郎さんが言ってたこと。「ファッション系の人たちに聞くと、ロックフェス(の参加者)のファッションすごくダサいらしいよ。みんな一緒だから。」あぁ…

 

なぜぼっちのフェスがしんどいか

 

そもそも論で行けば、音楽好きな人間がフェス行って劣等感抱えてたとしたら、お前は何のためにフェスに行って何のために音楽聴きに行っているんだと問い詰めたいくらいなんですけど。音楽好きと呼ばれる人の中で、フェスに行って、周りのリア充をみて劣等感に苛まれる人ってそんないない気がしてたんですね。


もっと掘り下げると、例えば「ライブかっこよかったー!!!!」って言う感情って許容範囲がありまして、一定以上を超えると抱えきれなくなって、その時って発散の方法は叫ぶか誰かに伝えるしかないような気がしています。
ライブ終わったあとハイタッチする人ってそう言うことなんじゃないですかね?これはライブ中だけど、ダイブとかサークルモッシュってそういうことなんだろうなーって思ってますし、だから「ダイブすること」が目的化すると変なことになるって、そう言うことなんじゃないかなって。
体を全く動かさず、ピタッと気をつけしたまんまライブ観るのってめっちゃしんどいと思うんですよね。少なくとも僕には無理だ。

 

あと時々やるんですけど、フェスの動く予定立てたらトップバッターから最後まで全然隙間の時間がない、みたいな状態ありません?それ、体力的にもそうだけど、いろんな感動で心そわそわしません?その状態続くとめっちゃくちゃしんどくないですか?アウトプットしたくなりません?僕だけ?

ぼっちのフェスがメンタルやられるのって「感動を抱えきれない」って事なんだろうなーっておもいました。
で、ここでスッと吐き出しちゃうからこそ「強烈に印象が残らずらい」んだろうなとおもいます。

 

なんの話だこれは。「すっごい感動してすっごいテンション上がってるのに、話し相手がいない」のはしんどいよと。より分かりづらいぞ。

 

 

まとめろ

 

とにかくパーティを、あぁこれは「今夜はブギーバック smooth rap」の2番のパクリです。

 

 

少なくとも僕はもうフェスを中心に音楽聴く流れできてしまってるし、ライブだってワンマン行く回数<フェス行く回数 になってしまってますし。

いやこれは仕方ないんだよ、sumikaとかAwesome City ClubとかフレンズとかBRADIOが青森までツアー回ってくれないのが悪い。だってライブ見たいじゃん、でもワンマンのたびに東京往復できないじゃん、じゃあフェスとかじゃないと、コスパ悪いどころじゃなくて見れないんですよね…

 

 

 

 

あと最後に、愚痴を一つ。

 

なんというかですね、ロックとかアイドルとか分け隔てなく、最近は特に演者サイドからのが非常に多いんですけども、「音楽はYouTubeや聴き放題じゃなく買え」「フェスじゃなくてワンマンに来い」「ライブ中はこうやれ」みたいな指令があまりに多すぎませんか

実名は出さないけど、肩くめは割としんどいっすよ…

いや、でも乗っかったら楽しかったりするんですかね、ああいうのって。