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ハマでは新機軸のジュリアン

Base Ball Bear全曲レビュー part3

なんとビバラまでの空き時間で書いてます。一ヶ月も空いてしまった。

 

今回は4thアルバムの流れの始まりだった「yoakemae」から最新アルバム『光源』の「darling」までのレビューです。ということは、時期的には2011年5月〜現在になります。

レビューを始める前にいくつか「おことわり」があります。

 

 

 

まず、時期的な補足として知っておいてほしいことが、それは東日本大震災の影響です。

 

事実としては、10周年記念のツアーが数会場延期になりました。このツアーのコンセプトは「アルバム再現」でしたが、6枚のアルバムのうち『LOVE & POP』の再現だけは「それをする気になれない」ということからボツになり、結果ツアー全体のコンセプトも変更になりました。 

ここから分かるように、前回のレビューでも書いた『LOVE & POP』の扱いはここで少し変わっている、ということがわかります。故に前回読んでいただいた方はその辺りを知った上で読んで頂ければと思います。

 

 

そして今回の全曲レビュー、個別のレビューも頑張りますが、どうしてもメンバー脱退の件について全く触れない、というわけにはいけませんでした。

 

はっきりと申し上げますが、今回のブログの中でメンバー脱退について話すことは、全て憶測です。なぜなら、公式にメンバーから語られた内容は、公式にホームページ等で発表された内容と分量的には同じだからです。

しかし、バンドの構造も含めてレビューで触れてる以上構造の変化には触れないわけには行かず、語られていない分は推測で補完するしかありません。ご了承ください。

 

 

colorfulwhite2.hatenablog.com

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シングル『yoakemae』

1.yoakemae

流れとしては「changes」「神々LOCKS YOU」を正直に歌えないくらいの心理状況だった小出さんにとっての「夜明け前」なんだと思うんですよね。

この時期に地元のライブハウスでライブ見て、会場限定の「yoakemae」のCDを堀之内さんから直接買いました 笑


2.Fragile Baby(18:30)

恒例のレゲエコーナーですが、こういうアップテンポで、ちょっと日本のミクスチャーロックみたいな感触が一気に出てるのがポイントですね。しかし、めっちゃラップしてる「歌ってるんだBaby」や「The CUT」の曲調にはレゲエ要素ないという。

 

シングル『short hair』

1short hair

ベボベ史で1番メジャーというか、知れ渡ってる曲だと思う。本田翼の代表作と言っていいはず。

一回演奏したことがあるんですけど、半音下げのチューニングだった以外はめっちゃ演奏簡単でした。

 

2ido(feat. 呂布)(14:00)

「The Cut」のニュアンスを参考にすると、ギターロックでダンスミュージックを演奏するというアプローチをしていて、そこにこれまでずっと行ってきたレゲエやダブの要素を少しずつ盛り込んでいる、結果的に今のクラブシーンに近いことになったという。 

 

 

シングル『Tabibito In The Dark / スローモーションをもう一度 part.2』

1Tabibito In The Dark

『LOVE & POP』のころに何があったかは知らないんですけど、「この街に必要ない存在」っていうワードが頻出するのがこの時期の小出さんで、この部分なのかなと推測するしかないです。

 

2スローモーションをもう一度 part.2(12:00)

たぶんベボベ版「アイデンティティ」だとおもうけど、「アイデンティティ」は自分を見つけてるんですよね。ベボベのほうは、「目が覚めた」その瞬間の、その後への覚悟を決めた瞬間の曲。

ひねくれた和声が全くない、かなりストレートなコード進行です。

 

 

アルバム『新呼吸

1深朝(4:00)

このアルバムは一日の部分部分を切り取って曲にしたというコンセプト(元ネタがBerryz工房第②成長記』って話を聞いたことがある)で、一回割当たった時間にその曲を聴くってのをやっていきなり失敗しました。

冒頭の音はちゃんと演奏してます。

 

2ダビングデイズ(7:00)

「スローモーションをもう一度part2」の「映画の中」「ドラマの中」と並べて聞くと、何にもがいていたのかがうっすらわかるような気がします。

手元のMUSICAによると同じギターの演奏を、何パートも重ねて立体感を出してる、とのことです。

 

3school zone(9:00)

世界観やギターの音色が、かなりインディーズ期、より正確に言えば「17才」以前にかなり近いんですけど、決定的に「自分はもう学生ではない」という立場から歌われているところが特徴かなと。

 

4転校生(13:00)

文字通り「Transfer Girl」の続編であり、「ラビリンスへのタイミング」や「青い春.虚無」なんかにあったカッティング+16ビートを主軸にした曲で、2回目の武道館でのライブが堀之内さんのドラムソロ→小出さんのギターとの絡み→二人が入って「転校生」の演奏、という流れが完璧なのでDVD買ってください

 

5スローモーションをもう一度(16:00)

同じタイトルの漫画がありまして、でもあまりつながりはないかなと。ストーリーは、リア充グループの男の子が実は80年代アイドルが好きで、でも誰ともその話ができなくて、みたいな。

曲は、レゲエ・ダブコーナーですが、歌ってる内容は普通にベボベらしい歌詞です。

 

6short hair(17:00)

この歌詞のすごいところは具体的に自分が何歳で「君」がどういう人かっていうのを全く言ってないのに、情景描写がめっちゃはかどるところなんですよ。おんなじ話を「(Like a)Transfer Girl」でします。

 

7Tabibito In The Dark(19:00)

最近のライブの話をすると、間奏をめっちゃ伸ばして盛り上げていて、「yoakemae」にも同じことが言えるんですけど、たぶん当初は音源でもそうするつもりをあえて削ったのかな、そうやって盛りあげる形を意識してるのかなとおもいました。

 

8ヒカリナ(21:00)

この曲めっちゃ好きです。

僕の妄想を言うと、この曲は「changes」を歌いなおしたものだっていう。全く共通項ないんですけどね。

あとは、「Dark」の次が「ヒカリ」というながれなんですよ。

 

9夜空1/2(24:00)

歌詞はチャットモンチーの福岡さんと共作です。ちなみにこれをチャットモンチーが演奏してるところは、全くなかったはず。

一番歌いだしが小出さんで関根さんがコーラス、2番になると歌割が逆になる、というデュエットを強く意識した曲でもあり、ひさびさですよね。

 

10kodoku no synthesizer(26:00)

Bメロ歌い切りの音だけめっちゃ低くなるのはサカナクション山口さんの真似だとおもいました。それか岡村ちゃん

シンセサイザーってタイトルなのにシンセサイザーの音を入れないあたり、「4人で鳴らせる音を鳴らす」制約を徹底してます。

 

11yoakemae(hontou_no_yoakemae ver.)(27:00)

今ライブでやっているバージョンはAメロがもう一回繰り返され、落ちサビ前後の感想が長くなってるバージョンになってます。『光源』初回盤のCDJの映像があるんですが死ぬほどかっこいいので探してください

 

12新呼吸(29:00)

 最初のサビと後のサビで大きく違うのは「sus4」ってコードが後者には入っていて、これがさらに開けた印象の曲調になってるんじゃないか、とコードを調べてうろ覚え知識をつかってみた。

 

 

 

ミニアルバム『初恋』

1初恋

「君に 少し会いに急いだ」「君に会いに 少し急いだ」のものすごく繊細なダブルミーニング、「最初の恋にしょう」から「最後の恋にしよう」へと移行する歌詞の流れが完璧すぎると思います。ベボベの歌詞でトップレベルに好き。

 

2ぼくらのfrai awei

ベボベのライブ、17年の人間交差点と日比谷ノンフィクションでホーン隊が入ったライブがありましたが、それ以外の「4人以外の音が入らない」の制約がったあった時代に、ベボベ4人以外の楽器の音が入ったライブは一個だけ。

リリース直後、この曲をヒャダインさんの鍵盤込みで弾いた時のことでした。

 

3君はノンフィクション

ヒャダインさんとのコラボ曲にはシンセ等の音が入っていません。が、岡村ちゃんとのこれには入ってます。

ベボベの世界で岡村ちゃん風味が強い曲」ですが、「愛はおしゃれじゃない」はこれの真逆ですね。

 

 

 

シングル『PERFECT BLUE

1PERFECT BLUE

ベスト盤と同時に発売って事で、MV含めこれまでのベボベの記念碑であり、同時に「過去の遺物」としてやっと「学生時代」「青春」にケリをつけれた、そんな歌なんだと思う

個人的な思い入れを言えば、高校卒業する2週間前くらいにこの歌がリリースされたんですよ。僕の青春を、小出さんが、この歌がきっちり殺してくれたから、今の僕がいるんだと思う。いつか会えたら本当にありがとうと言いたいですね。

 

2アイノシタイ

スガシカオさんがツイッターで曲名を募集する企画でライターの三宅正一さんが出した回答を拝借した、という経緯があったり、未だにフルの歌詞が出てなかったり、周りの情報がやけに充実している 笑

 

3Typical Girl

すごく久々な関根さんボーカル曲。そして、恒例のダブ/レゲエコーナーであったようなややダウナーな雰囲気の曲ですが、もう1つは「ヘブンズドアー」以来すごく久々な「少し世間から浮いてる女の子」の曲です

 

ミニアルバム『The Cut』

1The Cut -feat. RHYMESTER-

イントロの印象的なリフは、「新呼吸」で取り上げた「Esus4」ってコードです。

あと、この辺りから指引きのベースがどんどん前に出てきます。「バンドの構造」に大きな変化が出てきたのが非常にデカイですね。

 

2ストレンジダンサー

めっちゃ好きだったんだけどライブで全くやる気配がなくて、人気投票後のライブで初お披露目でした。

その時だけかもですが、弓木さん音源と全然違うメロディ弾いてましたね。

 

3恋する感覚 -feat. 花澤香菜-

一曲目もですが、ボーカルにメンバー4人以外の声が入るのは呂布さん以来のことです。強いて言えばあとはナカコーさんか。

小出関根であれば当然関根さんのが声高い訳ですが、それにも増して声が高い花澤さん 笑

 

シングル『ファンファーレがきこえる / senkou_hanabi

1ファンファーレがきこえる 

CMのタイアップはこの曲が最後なんですよね、実は。シングルのはずなのにライブでやってる印象があまり無いんですよね。せっかくの「ドラマチック」ぶりの野球ソングなのに。

 

2senkou_hanabi 

どちらかというと、『C2』における「HUMAN」に近いし、『二十九歳』とは合わないよね。

歌詞のポイントは、出て来る全員「あの子」みたいな三人称で、サビで一気にまとめて「あの時僕らは まばたきもせずに/ 眩しさの中に居たんだ」って全部の人を受け止めるんですよね。大成功した人も失敗した人も、どっちつかずの人だって、みんな。

 

the pillows25周年記念トリビュートアルバム
「ROCK AND SYMPATHY -tribute to the pillows-」

・Funny Bunny

この曲はピロウズという枠を超えて、言わずと知れたロックの"アンセム"だと思うんですよ。そういう曲を選ぶ時点ですごいんですけど、明らかにコードが変わってました。「彼氏彼女の関係」や「不思議な夜」あたりよく使われる「maj7」ですね。

 

アルバム『二十九歳』

01 何才

「あースーパーカーだなあ」が第一印象です。

何者にもなれなかった人が「ナンバーガール」や「スーパーカー」というような憧れを見つけて追いかけて、紆余曲折あってここまで来た。ナンバガっぽいと延々言われ続け、『十七歳』でナンバガらしさを自分流に調整できるようになった彼らの、もう一個の答えが『二十九歳』の冒頭のこれなのかな。


02 アンビバレントダンサー

例えば「CRAZY〜」や「ラビリンスへのタイミング」「彼氏彼女〜」あたりのカッティングが効いた曲と聞き比べてもらえると、いかにこの段階でリズム隊がスキルアップしているかがわかるはずです。


03ファンファーレがきこえる

相変わらず青臭いなあって思う人もいれば、「締め切りも契約も」みたいに、青春時代のようなエモーションがちゃんと二十九歳の現実のラインに落ちてきてるんですよ

 

04 Ghost Town

どっかの店舗限定の人気投票で一位だったんでしたっけ。

小出さん、よく「周りのみんなに疎外される自分」はよく書くんですが、これみたいな「自分だけは普通で周りの奴らがおかしくなった」的な場面設定は少ないです。


05 yellow

ベボベのイメージとして、「夜っぽさ」を感じる人は特に少ないはずなんですよ。それは、「ドラマチック」や「changes」を想定したら当然なんですが、こういう瞬間を切り取られる曲は、胸がかきむしられるような気分になります。次の曲が来るまでは。


06 そんなに好きじゃなかった

いいリフですよね、めちゃくちゃオールドなハードロックみたいなリフは、言われてみればベボベパワーコード滅多に出てこないな、みたいなところからも出てくる話題です

 

07 The Cut -feat. RHYMESTER-

からの歌詞は「それってfor誰?」ってことなので、話は一貫してるし、「初恋」「senkou_hanabi」が入らないってのも頷けるんですが、感覚論ですかね?


08 ERAい人

半分インタールードなのでこれを人気投票最下位って扱いにするのはかわいそうな気もしますが。


09 方舟

今までのアルバムでいう「協奏曲」であり「Project Blue」みたいに締めくくりのような役割のスロウな曲です。最初曲名見ずに聞いたのですが、長さ的にそろそろ終わると思ってた


10 The End

3人編成で曲をやることもサポートギター入れていた時期にありましたが、まずレパートリーとして選んだのがこの曲と「Perfect Blue」ってのがもう、偶然じゃないだろうと。


11 スクランブル

アルバム終わらなくてびっくりした曲です。

(青春の終わり=卒業)とするならば、ベボベが歌ってきたような学生の青春って「卒業」で終了なんですけど、人生は続くし、その後汗水流して神経すり減らしながら働いていくんですよね。

だから、物語の主人公である勇者=この時の小出さん達は、「The End」で話終わらせちゃダメだったんですよ

 

12 UNDER THE STAR LIGHT

この当時、サカナクションの山口さんとの対談で「4つ打ちのギターロック」に対して明確に距離を置くような話をしていて、ある種の回答なんだと思うんですが、ヒントはベースのメインのリフが単純な八分音符じゃなく横ノリのグルーブを生む形になってる、ところだと思います。「yoakemae」あたりと聞き比べるとリズムわかりやすいはず


13 PERFECT BLUE

あんなに特別感ある曲も、ここに置かれるとちゃんとアルバムの一ピースとして機能してるからすごいですよね。


14 光蘚

アニメ『惡の華』コンセプトCD収録のボーナス・トラックで、知らんうちに新曲が出たぞ(当時アルバムは未発表)って思った記憶がありますが、アルバムで聞いて、なんて辛い曲なんだって絶句した記憶がありますが、内容に関しては次の曲とセットなんだと思う。


15 魔王

「光さすあの丘に/旗を立てた彼のように/なりたい でもなれない/それじゃ僕じゃないから」という一節、これは明らかに(リリース前年ついに紅白に出演した)サカナクションの山口さんのことである、というのはすぐ想像つくかと思う。

殆ど関わることがなくなってしまった2組だけど、またどこかで一緒に並んでるところが見たい。


16 カナリア

『C』における「ラストダンス」みたいなもので、アルバムの作品性としてのエンディングと別に設けられた「物語のオチ」みたいな曲。あるいは、このアルバム全体を映画だとすると、この曲は「スタッフロールの時に流れる主題歌」なんですよね。雰囲気が。

 

 

 

シングル『「それって、for 誰?」 part.1 』

1「それって、for 誰?」 part.1

ベボベファンの皆さん、この曲初見で聞いた時の衝撃すごくなかったですか?ぼくだけ?

「あっ、完全にベボベ別のステージ登ったな」って気持ちと「相変わらず主張エッジ効いてるなあ」が同時に噛み合ってる感じ、ついにきたって思いました。

 

シングル『文化祭の夜』

1文化祭の夜

小出さんの中の「文化祭」イメージ暗すぎてちょっと涙目です。笑

完全に、現役の情景じゃなく「回想」なのが、小出さんのモードの変化を伺えます。

 

シングル『不思議な夜』

1不思議な夜

これも小出さんのモードが完全に変わっているのがわかる曲。

青春みたいなキラキラ感が、完全に現役ではないんだけども、でもこの曲では負けず劣らずのキラキラ感が漂ってるのです。

 

 

アルバム『C2』

1「それって、for 誰?」part.1

ギターのリフは「そんなに〜」歌詞の中身は中身は「The Cut」歌い方は「十字架〜」というウルトラマンタロウタイラント的な曲ですがベースやドラムは今まで全く匂いすらなかったどファンク。

 

2こぼさないでShadow

小出さんと関根さんがここまで譜割り細かく刻んでデュエットするの久々だなって感じですが、一気にムード歌謡みたいになってるのは気のせいですかね?

 

3美しいのさ

過去こうやって「関根さんボーカル曲」が並んだことありませんでした。

あと、ギターをアルペジオで2つハモらせるみたいなこともしてなかったはず。

 

4曖してる

曖昧の「曖」ですよね。「BREEEEZE GIRL」ぶりの同名曲ですが、曲順でいえば関根さんがベボベで始めて「スラップでベースを弾いた曲」になります。

 

5文化祭の夜

自分も高校の文化祭の準備で帰り遅くなることが多かったんですけど、だいたい5〜7月くらいに夜出歩いたらその時の外の匂いで当時を思い出したりしますね。なんの話だ。

 

6レインメーカー

part1で話した「近年の小出さんは『俺』と歌わない」という話、この曲はここでレビューしてる『新呼吸』以後の曲の中で唯一「俺」と歌ってます。

 

7どうしよう

「青春が終わって知った/青春は終わらないってこと」

そうなんです、この段階でベボベの「学生のような青春」は終わってるんです。

そして「青春」のような感情は、まだ潰えてない、だから歌うんだと思います。

 

8カシカ

『C』が「市/街/City」「死」「she」「sea」こ意味である、ということは前も書いたんですか、「詩」でもあり「see/視」でもあるっていうことです。

『C2』が2週目なのかリスタートなのかでいえば、どっちもだと思うけど、個人的にこの曲の特徴は前作「C」に入っても馴染む曲ではないかってこと。

 

9ホーリーロンリーマウンテン

小出さんがハモる。そしてそのハモリが、関根さんの声と同じくらいの大きさでなっていること。

あとは、本当久々な「DeathとLove」。ここにも『C』の色が。

 

10HUMAN

歌詞でやってることは「senkou_hanabi」そのまんまなんですけどね。ここまで雰囲気変わるかと。

返す返すも、はっきり「社会人としてのリアリティ」で歌を歌うようになっても青春感が目減りしないのが今の持ち味なんですよね。

 

11不思議な夜

この並びで聞くと、本当この曲の救いっぷりが目立つんですが。意味合い変わってくるぞと。

 

12「それって、for 誰?」part.2

前作『二十九歳」での「カナリヤ」ほどおとぼけな感じではなくてガチめの歌詞の具合は「part.1」とほぼ同じけど、効能としては全く同じですよね。

砂漠に水を撒くようなことでも、という言い回しは前作『二十九歳』のころから各種メディアで出てきてます。

 

 

ベストアルバム『増補改訂完全版「バンドBのベスト」』

16 祭りのあと (2016 ver.)

ナンバーガール田渕ひさ子さんがギターを弾いてるMVがあります。まさか本当にナンバーガールが出てくるとは。

 

 

 

アルバム『光源』

1すべては君のせいで

本田翼のMVのおかげでだいぶ中和できてるけど、歌詞ほんとエグすぎるんですよね。

だから、こういう曲を聴いて、“本田翼”が「自分を断崖から突き落とした張本人」か「自分なんかに手を差し伸べてくれるヒロイン/ヒーロー」どっちで解釈するかって真っ二つに分かれると思うし、どっちにとっても響く歌を鳴らすベボベらしい曲だと思います。

 

2逆バタフライ・エフェクト

この曲は純ベボベなんですよね。ただ、完全にスリーピースのロックバンドみたいな楽器の構成になっていて例えばボーカル&リズムギター+リードギターって音の出方してないんですよね。ギター1人でやっていける曲になってるんです。

 

3Low way

聞いて見ての感想は、「こういうの待ってた!!」でした。

僕もよく聞く、「シティポップ」と形容される音楽性ですけど、ベボベでは主にテンポが合わないのと制約上ギター以外の音入れられないところからあんまり積極的に導入する理由なかったってのが正直なとこなんだと思います

まさかギターだけの曲でそういうのやるとは思わなかったけど

 

4(LIKE A)TRANSFER GIRL

(のような)とはうまいもんで、まんま転校生な訳じゃなく、同じ会社で働いてるのかなとか、もしかして色々まずい関係なのかなとか、いろんな想像が掻き立てられるんですよ。具体的な容姿は全く言ってないのに。

あと象徴的なワードは「紅茶」でしょうか。

 

5寛解

サウンド面で言えば、シンセを使ってちゃんとベボベのノリを決めながら「シティポップ」的なニュアンスも抑えつつ、みたいな仕上がり。

歌詞で言えば、3.5アルバム以降のモードである、と言えますね。「白い壁」みたいなところとか

 

6SHINE

表向きなバンド活動の総括が「PERFECT BLUE」やベスト盤だとしたら、これは裏向きの総括であり、同時に 「これまでのベボベに生きていた『青春』にとどめをさした」曲なんだと思ったんですよ。

「BOY MEETS GIRL」「檸檬」「神様」「プール」「愛してた」「スリートゥーワンでブレイクダウン」みたいな、今まで出てきたモチーフが全部ひっくり返っていくその様がどんどんエッジ効きすぎてすごいです。

 

7リアリティーズ

「誰かでありたいなら 席に着くことさ」「隙間に 地べたにでも空いてる場所を見つけて」これが、青春から十数年経ってたどり着いた「答え」なのかな。

ベボベが歌うことで、救われる人っているはず、少なくとも1人はいるんですよ、ここまでの歌詞を歌ってくれたってのはありがたいなって思います。僕は。青春時代にこの歌詞教えて欲しかったけど。

 

8Darling

アルバム最後はカントリーっぽくするのは決まりなんでしょうか。

関根さんの歌ってない地の声が入ったことはこれまでなかったので結構びっくりしました。「君はノンフィクション」は、囁いてたけどね。声の表現の仕方は、ライブ限定だったけどラップしたり、まだまだやってなかったことをやってる、ということで。

 

 

 

「まとめ」

転換期だったんだと思うんですよ。「青春」って武器が使えなくなってきて、4つ打ちロックが珍しくなくなって…その中で今回のキーワードは「社会人としてのリアリティ」と「豊かな音楽性と、それを可能にする演奏力」だったと。

 

そして、3.5アルバムくらいまではバンドの方向性、舵取りにおけるギターの比重がすごく重かったんですけど、特にリズム隊の技量が上がることで、4ピースががっぷり4つで組み合うような、そういうバンドになった。

 

 

 

そのどこかで、キャパを超えたんだろうなって思います。当時の製作の様子を各種メディアで確認すると、所々で「湯浅のギターの録音が遅れた」と。

 

 

 

 

 

その昔、小出さんと堀之内さんの仲が険悪になって、不安がる関根さんに「大丈夫だ」って声をかけたのは、湯浅さんなんですよね。

 

 

こういう状況なので、多分戻ることはそうそう簡単には起こらないと思います。今何してるかはわかりませんが。

 

 

 

ともあれ、ベボベはまだまだ続いていくと思います。新作の気配はちょっとないですけど。待ちます。

 

 

 

 

それでは、次回サカナクション全曲レビューでお会いしましょう!!!!