Perfumeの(Remastered)の話
Perfumeの『Future Pop』について、感じていることがあります。
最初聞いた時はすっごい耳なじみよくて「あーこのためにクラブ通って経験値貯めてよかったわあー」と思っていましたが…
その辺のあれこれはこっちに書きました
(Remastered)の話
いつもシングル曲のAlbum-mixがあるんですけど、今回それがないんですよ。
そのかわり「TOKYO GIRL」の(Remastered)があるんですね。これはPerfume史上初なのではないかな。明言してないだけで、リマスターしてるんだろうけど。
これはEDMについて、そしてヤスタカサウンドの傾向みたいなのに実は鍵があるんじゃないかなあというのが今回の話。
ビルドアップ-ドロップは以下指摘がありましたね
で、ビルドアップとかなんなんよって人については、一番極端な例としてこれ聞いたらわかりやすいと思うのよ
ポイントは
イントロ→Aメロ→Bメロ→間奏(ビルドアップ)→サビ(ドロップ)という曲の構成
ビルドアップとBメロが兼ねることもある。
そしてビルドアップ→ドロップの際に、歌声が従来のサビに比べて極端に少ない、歌とブレイクの比率が逆転している、と言えますよね。
これが、「クラブで鳴ってるトラック」と「いまマスコミで求められてる「盛り上がる曲」の要素」のズレなのでは無いかと。
えってかこれTeddyloidさんなのかよ!?
あと今回は著作権的に危ういと思ったので載せませんけど、YouTubeで「暇つぶし」とか「ずっと見てられる」とか検索すればどっさり動画見れるんですけど、あれのBGMってやたらEDM多いんですよ。尺的にまとまって曲流せるの都合がいいんでしょうね
で、日本って今のところ、どうしたって音楽に触れられる1番のメディアはテレビのBGMなんですよね。
ロッキンオンの雑誌とかボタン押したら音出ればいいんですけど、そんなワケないので、音楽を世に伝えられる最大のメディアってやっぱりテレビで。
例えばドラマや映画の主題歌も、最後に流れるならその尺なら良いけど、どうしても作らざるを得ないテレビCMの15秒や次回予告の30秒の尺で盛り上げるべく起用される曲。
一方バラエティってテーマソングはオープニングであることが多い気がするし、決まってCMで流す曲も少ないよなあと。
J-POPの枠の中で「サビ=歌の盛り上がりの部分」なら、実は「歌っているサビ」であるということが曲の盛り上がりと同義になっているのでは無いか…
ちはやふる上下主題歌「FLASH」は、シングルとアルバム版で思いっきり変わったことでズレを補正した。
ちはやふる結びの主題歌とアルバム版にバージョンを変えてない「無限未来」はだいぶ挑戦的だった。
で、「If you wanna」はもはやサビらしいサビ無いじゃないですか。
いや「盛り上がり」という意味ではサビあるんですよ。「歌詞の盛り上がり」のサビは無いじゃないですか。
これ、タイアップついてないんですよねえ〜〜
「FLASH」と「If you wanna」「無限未来」、この間にあるのは、きゃりーぱみゅぱみゅ「原宿いやほい」、そしてヤスタカのソロ作「Digital Native」である。
これは、ヤスタカ謹製のトラックの中で、しっかりビルドアップ→ドロップの流れで極端に歌が少ない。
きゃりーぱみゅぱみゅ - 原宿いやほい , Kyary Pamyu Pamyu - HARAJUKU IYAHOI
中田ヤスタカ - White Cube (Official Video)
今までは、やっぱタイアップの都合もあるんだろうな、シングルにおいてはやっぱりふつうのJ-POPをクラブ系のサウンドってフィルターで変換していたのが、今はもうクラブ系のサウンドでクラブ系のトラックを鳴らしている、Album-mixにする必要が「無い」のではないか。
というのが僕の仮説ですね。
このへん、後期スーパーカーと被り始めるんじゃないかな…「YUMEGIWA LAST BOY」とか…
で、さらに足すと最近ヤスタカさんが、深夜のクラブイベント見に行って流してるのってこれとか
「サビもう歌わなくてもいいんじゃね」と思ったのかどうなのか…
これだから、作詞家の秋元康さんとか、ボーカリスト出身のつんく♂さんは、こういう部分にたどり着くには時間がかかるかもって思うんですよ。
めったに歌わないヤスタカさんが、いち早くこうなったのは訳があるかも
余談だけど、ダンスロックの中だと、実は夜の踊り子は「Perfumeの曲のAlbum-mix」感がすごく強い曲の作りをしている気がするんですよ。サビがなかなか来ない。 じわじわと盛り上がるシーケンスが長いなど
サカナクション - 夜の踊り子(MUSIC VIDEO) -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-
あと今年のceroのトラップ風歌唱とかもある?
cero 4th Album「POLY LIFE MULTI SOUL」(5/16 Release) 【Official Teaser】
歌と音の関係性とか、曲の構成とか、変わってくる時代かもしれないんですよね。
「Future Pop」、曲の短さもよく指摘されるんですけど、歌ってる時間の短さもポイントなのでは?と思った次第。
最新のEDM系音源にしては、かなり言葉や歌の力が強い。
Perfumeの、アイドルのアルバムとしては極端に歌ってる時間が短い。
最新のEDM系音源にしては、一曲の中の展開がバリエーション豊か。
J-POPのアルバムとしては、「サビ」と他の部分の差異がとても少ない。
Perfumeは、特異点だから面白いと思いますけどね、僕は。