ベボベ幻のアルバム「image club」の話
フォロワーさんからオーダーがありまして、ちょい遅れましたが。
そもそもの話の振り返りとして、Base Ball Bearのメジャー3rdアルバム『(What is the)LOVE&POP?』の中身について話していきたいかなと思うのですが
この実際にリリースされた『LOVE&POP』は、前作『十七歳』以降のシングル5枚が全てオリコンチャートトップ10を記録し、そのうち4枚はアニメ図書館戦争ED、映画鴨川ホルモー、資生堂「シーブリーズ」CM、銀魂OPという震え上がるほどの豪華タイアップがつき、リリース数ヶ月後に初の日本武道館公演を控えているというおまけ付きで、客観的には明らかに「超絶好調」なタイミングでのリリースでした。
一方で、「changes」の歪なアレンジやインタールード、「ラブ & ポップ」「明日は明日の雨が降る」というアルバムの締めくくり方からすぐわかるように、このアルバムは本当に暗くて、憂鬱で、絶望的で深刻なアルバムです。
このアルバムに関連する情報として、当時のインタビュー(今回は「トーキングロック!No16」を参照)やセルフライナーノーツから判明した以下の内容があります。
①『十七歳』リリース後、09年1月に3rdアルバム『image club』の販売を決定、制作に取り掛かる。コンセプトは「良い曲」で二枚組の予定だった
②5月「changes」発売
③10月ごろまでに「SOSOS」「海になりたいpart.2」「SIMAITAI」などの録音を完了している(ただし歌詞や歌入れはまだ未完成であることに注意」
④この辺りでベボベの担当スタッフ(今村D)が右足首を粉砕骨折、同時期に映画「鴨川ホルモー」の主題歌のオファーがかかり、その制作のためアルバムの作業が中断
⑤09年1月販売予定を変更、アルバムリリースツアーも決定していた都合上ツアー前に何かしらの作品を代替リリース決定
『完全版「バンドBについて」』と「LOVE MATHEMATICS」
⑥その矢先資生堂と銀魂のタイアップ決定、なんやかんや上記二作品をリリース
⑦09年頭にはタイアップ三曲の収録完了
⑧しかし歌詞制作&歌録りの最中に「いろいろあって」コンセプト変更。
⑨09年4月「神々LOOKS YOU」リリース前の時点で『ラブ&ポップ』というタイトルに変更。また、当初は『image club』同様だったコンセプトは、シリアスでダークなものに変更
⑩その後、そのモードで歌詞の大詰め作業に入り、「Stairway Generation」など完成。アルバムリリースに至る
さて、ここで仮に「今村Dが粉砕骨折せず」、「09年1月のリリースに間に合い」「タイアップもののオファーは受けつつも、収録されるわけではない」という『image club』のアルバムはどんなのだったのだろう?、と考えに至るわけです。
収録曲について、まず(おそらく唯一の)シングル「changes」 は間違いなく入りますよね。そして「LOVE MATHEMATICS」も入る。
そして収録予定だったと明言されてた曲は
「SCHOOL GIRL FANTASY」(「LOVE MATHEMATICS」カップリング)
「image club」(「鴨川LOOKS YOU」カップリング)
「USER UNKNOWN」「恋愛白書」(「Stairway Generation」
のあたり。予定変更前に発表済みの「FICTION ONCE MORE」「若者のゆくえ」については、カップリング既出の曲がアルバムにも入ったケースは無いので収録されないと思うけど、原型が出来てた「BREEZE GIRL2」(仮題「エレクトリックサマー」として存在)や「BOYS MAY CRY」(「17才」のボツアレンジが原型)は入るであろう、と。
またアルバム収録曲のうち「SOSOS」「海になりたいpart.2」「SIMAITAI」の「録音済み」と明言された曲に加え「LOVE LETTER FROM HEART BEAT」も詩世界的には違和感ないので収録はされてたはずです。ただし歌詞はより明るくポップになってたはず。
一方「ホワイトワイライト」については、18歳当時のキラキラした自分が作った曲を否定するために、このアルバムの中の並びで入れた、そういう意味合いがあることが述べられているので、コンセプトが変わる前の状態では入らないだろうと。
「レモンスカッシュ感覚」も同様です。曲は以前のオマージュなのでありそうですよね。全曲レビューでも述べましたが、この曲は「青春っぽいキラキラなバンド」を続けることに限界を感じた曲の、その始まりだと思うんですね。だから、入ったとしても現在にリリースされている、この形にはならないはずです。
この時点で12曲。2枚組ならもう少し入るかなと思うので、「こんな曲が入るかなあ」というのを予想してみます。
まず、檸檬要素のある曲。「レモンスカッシュ感覚」はサウンド面は近くても歌詞的には後発っぽいかなと思います。どちらかといえばこの後南波志帆さんに提供した「こどなの階段」があっていると思います。檸檬な曲は入ると思う。
また、「暗いムードに舵を切ったからああなったけど、普通の小出さんのペースでやってたらおそらく作れた曲もあるだろうな、ということもいろいろ考えられます。
小出さんが楽曲提供したアイドルネッサンス「Blue Love Letter」は、「LOVE LETTER〜」の裏返しにしか聞こえなかってですね。
そしてアルバムの世界観の話。
3.5thアルバムでは2枚組のような形態で『CYPRESS GIRL』『DETECTIVE BOYS』を作ったんですけど、実は最初っからこうしたかったのかなと。さらに言えばば『DETECTIVE BOYS』って『image club』の元々のコンセプトに近いのではと。
ベボベの歌で男目線の歌が出てくると、時には岡村靖幸『聖書』のような「君が振り向かない無力感」があるんですけどそういうのは控えめにカラッと爽やかな感じで。
つまり、『CG』=内省的でシリアス/『DB』=ポップかつ酸っぱ目なラブソングという流れだったけど、『image club』再現の際はむしろ『DBっぽい世界観』で統一されるべきなのではと、
であれば、コード進行から考えても「Transfar Girl」みたいな曲は当時からあってもおかしくないなと。さらに08年当時交流のなかったサカナクション山口さん、09年の「閃光ライオット」きっかけで交流があったであろう呂布くんはともかく、チャットモンチー福岡さんの参加した「夜空1/2」はもしかするとあったかも知れないんですね。
まとめると
・青春感のある爽やかでポップな曲
・同コンセプトで「あるストーリー」そして「その裏であったもう一つのストーリー」という木更津キャッツアイ的展開
・タイトルがイメクラで、ディスクまで分かれてて、デザインも変わってたりしたら、客側とイメクラ嬢側でそれっぽいじゃないですか(爆弾発言)
となるとだいたいこうなる。プレイリストに起こしてますので是非
『image club』
客サイド(仮)
1image club
2BREEEEZE GIRL2(もしかしたらこっちが1かも)
3LOVE LETTER FROM HEART BEAT
4LOVE MATHEMATICS
5SIMAITAI
6海になりたい part2
7USER UNKNOWN
8BOYS MAY CRY
こう、イメクラの女の子に「なんてステキな女性なんだ!」って勝手に恋して、「あの子も僕のこと好きに違いない、だって一緒にいるとあんなに楽しそうなんだもの」みたいな、そういう雰囲気はでてますかね?笑
嬢サイド(仮)
1Transfar Girl
2SCHOOL GIRL FANTASY
3Blue Love Letter
4恋愛白書
5夜空1/2
6SOSOS
7こどなの階段
8 changes
ところどころ完全に「僕」と歌ってるのがありますが許してほしい
というか、 客 Sideに「changes」があまりマッチしない…
いろいろ考えたんですけど
・「LOVE LETTER FROM HEART BEAT」と「Blue Love Letter」が同じタイミングで裏表になってる
・「SIMAITAI」「夜空1/2」はどちらも男女デュエットみたいというか、歌の中に相手の気持ちも少し入っているんですね。お互いがリンクする感じになるといいなと思いました。
・ただし客側「SIMAITAI」には女の子側の感情は結構艶っぽいんですが、裏表の「夜空1/2」を聞いてみるとそんなことなくて、完全に食い違っててその次の「SOSOS」に繋がる 笑
・「海になりたいpart2」が、完全に嬢側にとって重い歌になってしまうけど、次の瞬間には文字通り「USER UNKNOWN」になってるスピード感
・一方女の子は完全に違う生活へ(けどリピート再生して「Transfar Girl」以降また無限ループじゃねえかという問題点)
・ changesについては、直近でて1番それっぽいアレンジがなされているアイドルネッサンス版を採用
・『THE CUT』 のMVとか、最近だとtofubeats「ふめつのこころ」のMVみたいな映像をイメージしてくれると
まとめ
こんな気持ち悪いこと小出さんに読まれませんように!!!!!!!!