サカナクション全曲レビュー(C)
1年ぶりです
なぜならニューアルバムの発売を待っていたからさ!!!!!!!
というわけで2019/06/19発売の「834.194」もレビューします!いえい!
「僕と花」
1僕と花
もうみんな忘れてるでしょこの辺のサカナクションどうなってたかとか!
もう完全にフェスだとメインステージやトリは当たり前!CMに主題歌にタイアップまみれ!みたいな状況でしたが、おんなじ時期に流れてた後に「夜の踊り子」と呼ばれるCMソングよりも、こっちがちゃんと形になったのは今思えば伏線だった
2ネプトゥーヌス
この曲めちゃめちゃ好きです。「years」とかもそうなんですけど、こういうスローテンポで手数や音の数が多くない曲でこそ、実は山口さんの歌のすごさがすごく活きると思います
3ルーキー(Takkyu Ishino Remix)
今最も世間の注目を集める()アーティスト卓球さんですが、実はサカナクションと電気グルーヴって目立った共演があまりなかったのですよね。この後、電気のドキュメント映画に山口さんが出たりとかありましたが。
卓球さんのソロ曲ってなんか不穏なんですよね。リズムの合わなさとか不協和音とか。それがスリリングですけど
「夜の踊り子」
1夜の踊り子
実はこの曲中もっとも山口さんのテンションが上がるのは、1番Bメロのあとサビ行かずにまあ前奏に入るところなんじゃないかと思います大抵飛び跳ねてるから。
2multiple exposure
「ネプトゥーヌス」みたくこれもすごく好きなんですよねえ。
たぶん、このころってどんどんバンドサウンドとかフォークソングのところから離れ始めて、曲の主軸がギターからシンセに変わりつつあるころなので、バランスとろうってことだと思います
3僕と花(sakanaction Remix)
しばらくライブでもこのバージョン演奏されていた時期があったなあと思うのですが、勝手に「kimino-me」のセルフパロディなのかなー、とか思ったり思わなかったり
『SAKANAQUARIUM2012』
2012年6月19日ZEPP Tokyoでのライブ音源です、ほぼ同じのが「夜の踊り子」の初回限定DVDについてますが、DVDのはリハ音源でかつバイノーラル録音です。
例えば「ネイティブダンサー」のライブバージョンとか、この音源しかないのではないでしょうか
「ミュージック」
1ミュージック
やたら安かった記憶があります。ちなみにジャスト受験中でしたこのころ。この曲には辛い記憶しかないです。
2映画(コンテ 2012/11/16 17:24)
これはバイノーラル音源のデモなのかなと思ってました。
まさかアルバムに本編が入って、しかもちゃんと曲として機能するとは。
『sakanaction』
1intro
水音は未だにNF Recordsのサウンドロゴにも使われてるし、大事に使ってますね。
実はちゃんとバイノーラル音源になってるんですよねこれも。
2 INORI
AOKI takamasaさんが編曲で参加しております。
DJモード(と今名付けた)の際にこれを演奏することが多かったです。
3 ミュージック
4 夜の踊り子
5 なんてったって春
これも要は「昭和歌謡を今の技術で」ものなんですけど(なんだそれは)
「南南西が〜」ってのはちょっと中学とか高校の合唱曲にありましたよね、それ思い出しました。しかしこの曲は合唱してない。
6 アルデバラン
「アンタレス」以来久々の星シリーズ(?)、そして「壁」以来久々猫ソングです。僕としてはこれのMVをぜひ作って欲しかったんだよなあ
7 M
当時ラジオでMGMTオマージュと聞いたて転げ落ちた記憶があります。
そしてロッキン2017でまさか聴けるとは思ってませんでしたやったぜ
8 Aoi
「Base Ball Bearのサカナクション化」という話が当時Base Ball Bear学会で常に論争の的だったんですけど(?)、これはその逆、つまり「サカナクションのBase Ball Bear化」で、テレキャスターを引いてます。ジャキジャキしてます。
9 ボイル
これもすごく大好き。なんかこういうテンポの曲が好きなんだな僕はきっと。
夜行バスで聴きまくってたんですよ、朝四時くらいに。その印象。
10 映画
とても(コンテ)からこんな歌が生まれるなんて想像もしてなかったんですけど。
曲の終盤まで、カチャカチャとしたノイズがリズム隊の中に混ざってるのが面白ポイント
11 僕と花
12 mellow
これもちょっと言葉の感じとか合唱曲っぽいなあと思いきやコーラスすら入ってないんですよねえこれ
シンセの浮遊感がたまらなく好きです
13 ストラクチャー
こちらもAOKI takamasaさんが参加してます。2曲目と表裏一体なわけですね。しかしINORIよりもバンドサウンド主体なせいかあまり演奏されていない気がします
14 朝の歌
最後にこの曲、他のアルバムで言う「目が明く藍色」とかあの辺の効果もあるんですけど、踊り尽くした後に涙腺を襲いに来る感じがありますよね。
「グッドバイ/ユリイカ」
1 グッドバイ
たぶんCDJでリリース前に聞いたのが初聞きなんですけど、「あれこんな曲あったかな」みたいなデジャブを感じるくらいには「原点回帰」な曲だと思ってますよ。のちに札幌側のディスクに収録されてますし
2ユリイカ
すごくミニマルなビートでスタイリッシュ、というのかこの曲の特徴
歌詞自体は東京の曲なんだけど、音はちょっと北海道自体のにおいがするっていう不思議な曲です
3映画(Aoki takamasa Remix)
生活音のノイズでリズムをとるっていうのはアルバムでもありましたが、こっちは露骨にそれで曲を作ったみたいな形ですよね。
「さよならはエモーション/蓮の花」
1 さよならはエモーション
実はあまりこの曲にサカナクションっぽさを感じなかったんですよ。個人的には「Aoi」の流れなのかな、バンドサウンドに進んでいくのかな、みたいなことは思いました。
今思えば、もっとシューゲイザーに寄りたかったのかも、と思います
2 蓮の花
以前MVの話をしたかと思うんですけど、ほんとにこれ最高ですから見てくださいまじで。
山口さんが笑顔全開で踊ってるのが本当に面白い
3 Ame(B) -SAKANATRIBE × ATM version-
これもライブの印象が強いなー、でも最初は確か山口さん抜きの4人でやってたネット中継だった気がする
4 ミュージック(Cornelius Remix)
リミックスというか、演奏というか。
微妙にメロディも変わってるんですよね。音階が下がり気味です。
『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』
・ナイトフィッシングイズグッド (Iw_Remix)
岩寺基晴によるリミックス作品です。元の曲で使われているのはコーラス部分だけかな。
・ミュージック (Ej_Remix)
江島啓一によるリミックス作、もともとダンス系の音楽聴いてないので教えるところから入ったそうですが、ついにリミックスをするようになりました
・アイデンティティ (Ks_Remix)
草刈愛美によるリミックス。産休からの復帰作になるのかな?これ。
・GO TO THE FUTURE (2006 ver.) -
超激レア音源。
そして、のちに札幌時代をイメージする楽曲ができますけど、再現度が高いです。音質はともかく。
・グッドバイ (NEXT WORLD REMIX)
NHKの番組向けにAOKI takamasaさんがリミックスしたものですね、僕はサカナクションの新曲の雰囲気から考えたらこっちの方を待ちわびた派です
・さよならはエモーション (Qrion Remix)
QrionさんはNF パンチのOPをやってる人ですね。これもNHKの番組で流れてたもの。
・夜の踊り子 (agraph Remix)
agraphさんだいすき
NF Records
「新宝島」
1新宝島
この曲半年に一回くらいのペースでバズってますよね、いい曲だとは思うけどほんと謎すぎる。
2「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」
聴きッドルームという略称に感動しました
この曲に共感するためには、クラブのナイトイベントに行くべきですよね、NF はなかなかやらなさそうですけど
3インナーワールド(AOKI takamasa Remix)
「多分、風。」
1.多分、風
ベボベより先にアネッサのcmをやるとは思ってませんでした。
夏の昼の曲ってのも珍しいですよねえ。
2.moon
この曲に歌詞を乗せたのが「SORATO」ですね、すでにライブではもう原型とどめてないレベルにアレンジされてますけど
3.ルーキー(Hiroshi Fujiwara Remix)
藤原ヒロシさん、後にNF Recordsから音源をリリースするくらい、サカナクションとの距離というか、関係性が密になってます
『魚図鑑』
1陽炎(movie version)
「アルクアラウンド」みたいなYMO的東洋風な音楽って実はそれまでのサカナクションにあまりない要素なんですね。
一方YMOの影響からピコピコしたエレクトロ=ちょっとオリエンタルなものだ、という気持ちが、実はサカナクションに求めるものと本人の意識のズレを生んでましたがいよいよこれはそれが解決したのかなという曲です。微妙にチャイナスケールじゃないし。
『834.194』
DISC 1「35 38 52 9000 / 139 41 39 3000」
1.忘れられないの
僕個人的になのですが、サカナクションで一番好きな曲を更新したかもしれません
よく書いてる傾向として「サカナクション流の各ジャンル解釈」でいえば、星野源のソウル曲に近い雰囲気はすごく感じました。
2.マッチとピーナッツ
ライブで初めて聞いたんですがピーナッツしか印象になかった 笑
これもソウルっけの強い曲ですけど、どっちかというと歌謡曲チックなのかな?と思います。マッチも近藤真彦のほうだったりして(ない)
3.陽炎
『魚図鑑』と比べるとギターソロ、落ちサビが追加されてます。この曲の経緯とか聞くにだいぶ苦労したと思われるのですが、にしてはマイクで縄跳びとかしてるので本人的にはだいぶハマってるんだと思います
4.多分、風。
5.新宝島
6.モス
これもちょっと昭和っぽいというか。
なんかね、昔の怪獣映画の劇伴を今本気で演奏したみたいな雰囲気を感じました。ただリズムの取り方はトラップっぽい感じにしてる。
7.「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」
8.ユリイカ(Shotaro Aoyama Remix)
NFにも参加している青山さんのリミックスですが、リミックス前のミニマルなビートよりもかなりダンサブルになってるのがわかるかと思います。
9.セプテンバー -東京 version-
たぶんですけど歌い方変えてますよね?
あと、こっちは完全にクラブ仕様なんですけど、全体的におとなしい印象です。音の起伏とか
DISC 2「43 03 18 9000 / 141 19 17 5000」
1.グッドバイ
2.蓮の花
3.ユリイカ
4.ナイロンの糸
いろいろ曲がある中でわざわざこれをリード曲としてMV作ってるあたり流石だなと思います。
「フクロウ」とか「GO TO THE FUTURE」の流れを感じてます
5.茶柱
ほぼピアノのみの曲、全然記憶にないです。
「エンドレス」みたいなピアノ主体な曲はありましたけど。歌自体は、カップリングとかに結構あったスロウなビートの曲に近いものを感じました。
6.ワンダーランド
話の流れとしてはたぶん「マッチ〜」や「モス」の流れだと思うんですが、まさか最後シューゲイザーみたいなノイズまみれで終わるなんて想像できないやん?
ちなみにライブだともっとすごかった
7.さよならはエモーション
8.834.194
ユリイカに対してこちらは「サンプル(cosmic version)」を手がけた同郷のKuniyuki Takahashiさんが編曲で入っています。こだわり。
9.セプテンバー -札幌 version-
こっちの方が歌声が熱こもってる気がする。
あとやはりフォーク主体だし、当然だけど1〜2枚目のアルバムっぽい。
(まとめ)
多分なんですけど、Base Ball Bearの小出さんはこのころのアルバムを歯ぎしりしながら聴いてると思うんですよ。「セルフタイトル」「テーマが表裏」がどんかぶりしたり、「二枚組のアルバムをつくる」ということをほぼ完璧に完成させたり。
ただサカナクションは、フォークソング/クラブミュージックとか、東京/札幌とか、個人の内省的な曲/みんなに受ける曲みたいな二面性を自在に使える傾向があって。
多分ファンってどれか一つをキャッチして「あ、このサカナクションってバンドいい」と思うんですけど、そのキャッチできる要素があまりに多かったのがサカナクションの最大の特徴だったのかなと改めて思います。
だから、例えば「忘れられないの」みたいにソウルの流れを意識したシティポップみたいな曲を作ろうとしても、味がいろんな要素として出ているから、違うように聞こえるわけで。
「アルクアラウンド」って、これまであんまり曲調として現れてなかった部分が多い曲だったし、それがパーンと跳ねたおかげで迷いだした、という仮説があります。あと山口さんが極度の妥協できない男だということ。
まあ「セントレイ」で跳ねても「アイデンティティ」で跳ねても、いずれ悩み出すんだろうとは思うんですが。それはそれとして
サカナクション全曲レビュー、次は6年後にやりましょう