僕はSHISHAMOが苦手だ/「NFパンチの収録してきた」エピソード3
はい、短期連載企画第四回です。
今回は一人で書きます。で、テーマがほしいなって思ったところ上記の話題があります。
オーケー認めよう。僕はSHISHAMOが苦手だ。大の苦手だ。それでも今年のアルバムはカッコいいと思うし、ビバラでゲストボーカルとして見た宮崎さんは誰よりも輝いてたしこないだの関ジャムでいしわたりさんが「リスナーの生活に響いてる」って絶賛してたのも激しく同意だ。それでも僕は、彼女たちの作品を心から受け入れることは、今現在1mmも出来ていない。その理由が、この収録を思い返した時にわかった気がした。
その真相はいったん置いといて、僕なりに話を追いかけてみたいと思います。僕の試験は太字になってますのでご了承ください
テーマ「英詞で歌う邦楽に違和感ありますか?」
<違和感ない派>
・クサい台詞も英語なら歌える、って人
・英語の歌詞はかっこいい、ずるい(一郎さん)
・カタカナ英語は違和感ある←たぶん、細美さんや川上さんは大丈夫なんだと思う
<違和感ある派>
・日本人なら、美しさを生かしてほしい
・韓流スターが、歌の発音だと日本語流ちょうなのに、しゃべるときに買たことになると違和感がある(一郎さん)
・歌詞に胸を強く打たれて、その時初めて歌詞の重要さに気が付いた。
で、ここで鹿野さんから二つの視点が示されました。
ひとつは「言葉で音楽を聴くのか、音で音楽を聴くのか」という考え方。
曰く、日本に関しては歌モノ、さらにはフォークソングが源流にある、外国にはノーベル文学賞受賞者としてのボブディランとか。逆にR&B、クラブミュージックのような例もあると。
ちなみに僕は圧倒的に後者なんですよ。で、前者に関してはあんまり意識して聞いていない分、「過剰に歌詞を意識させられる」曲を聴くと聞いていられなくなるんですよ。だから、SHISHAMOは聴いていられないんですよね。
逆にいうと、例えば僕は人生で初めてボーカルギターで歌ったのはビークルなんですけども。
Tonight Tonight Tonight - Beat Crusaders (Bleach 4th Opening song) with lyrics
詳しくはこちらから
はっきり言って僕はこの歌詞の意味は、ニュアンスでしか知りません。一応英語は得意科目だけど。あとビークル、てか日高さんは死ぬほど発音下手です。わざとやってます。じゃあ楽しくないかっていうと死ぬほど楽しいし、現に僕は人生ベストに選曲してるわけです。
あと、英語一番勉強していた時期に英語で歌われていた[Champagne]とthe HIATUS、あとDOPING PANDAあたりにドはまりしたのは大きいと思います。
とくにシャンペとドーパンは、英詞の配分は中途半端っちゃ遭難だけど、違和感ないのはこれが要因
日本語だとGRAPEVINEの影響はものすごく大きいと思います。サカナクションもそうだけど、「聞き取れる意味不明・難解な歌詞」をそのまま触れて育った人間なので、聴いて即わかる曲はちょっと恥ずかしかったりします。
一方で歌詞、ではなく声=音というとらえ方は、完全にPerfumeの洗脳だと思います。
あと、感情表現がドストレートだと嫌なのかな、というのは秋元康ワークスが結構場面設定や情景描写がうまいっていうのもありますよね
AKB48「seventeen」×増田有華(スライドショー)
【MV full】 鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの /AKB48[公式]
一郎さんも「歌詞じゃなくて日記かブログみたい」って言っていて、感情表現だけだと好きじゃないのかな、とは思う。でも例外もいくつかあったりしてよくわからない。まったく深読みの余地がないドストレートな表現も大好きだしね。
さて、鹿野さんからの指摘2つ目、それは、Beasty Boysのレーベルと契約して世界に進出していたbuffalo doughterというバンドについて。
・曰く「僕らの音楽は学校に1人評価してくれるかどうか。そういう人を掻き集めても日本だけならマーケットにはならないけど、海外ならマーケットになるはずだ」
ここで出てきた話を総合すると、まずアーティストとしての「表現」を何語で行うか、その選択は、自分の狙っているところ、自分の育ってきたところ、その2路線あるなと思ったんですね。
まず狙ってるところってのは、先述のBaffaro Daughterのはなしもそうだろうし、今の邦ロック業界は、下手したらアジカンバンプに憧れてる層かもしれない。であれば日本語にこだわるだろうと、一方THE BAWDIESとかドロスみたいに外国のバンドに影響されてるのもまだある。
僕なりの表現でいうと、例えばラウドロックやピコリーモを取り入れてきたBiSHやPassCodeあたりが英詞歌うのは全然理解できるし、じゃあ日本のアニソンが源流にあるようなでんぱ組が英詞歌ったらどうって、ほら想像つかないじゃないですか。
で、ここまで収録聴いていて思ったこと、この日ここまでいろんな具体例が出てたんですが、ガールズバンドがBaffaro Daughter以外全く出てこなかったんですよ。
つまり英語詞を歌うガールズバンドは全くいないのか・・・?思えばチャットモンチーもサイサイもリーガルリリーも、女性ボーカルのパスピエやShiggy Jr.もポルカドットスティングレイまでひろげても、洋楽からの影響ビンビンに受けてそうなSuperflyやGRIM SPANKYも、そして外国でのライブ経験が多いSCANDALあたりも、全く英語詞をうたってない気がするけど何故か?青山テルマやらJUJUやらはいるのに、邦ロックシーンで全くそういう物はないのはなぜか
という疑問、その時は聴くことはなかったけど、第二回NFパンチ企画収録の時に鹿野さんに直撃してきまして。
要点としては
・Baffaro DaughterとSHISHAMOだと音楽のルーツが全く違う。SHISHAMOだとザピーズをきっかけとしているし。
・生活圏内に英語があるか、自分たちの音楽性やルーツに英語詞を含んでいるかというのは男女ともに考えた方がいいし、おそらくそこの影響は考えられる
・着うたの歌姫がたくさん英語詞をうたっていたのは、英語が生活圏になじんでいたということと、ことR&B業界に関しては宇多田ヒカルの影響は大きいと思う
という事でした。そうか宇多田ヒカル!文字通り膝を打ちました僕は。ここまで「合点がいく」経験もそうそうないと思いますよ、うん。鹿野さんありがとうございました。
あと個人的に面白かったのはこれです↓
・「バッハの旋律を夜に聴いたせいです こんな心」で?どんな心?結論ないじゃん。って言われる
いやー、ここまで来たか。すごい。
たぶん、詞、というものがどういう効能があって、リスナーがどういう役割を期待していて、というもので変わってくるのだろうと思います。
あと発音は大きいと思う。というのも、どうしても日本人がいちから学ぶ英語って相応の癖があるんでしょうね。
それで、例えばこれまでは洋楽ごっこの域を超えてない場合(disってない)があったのがちょっとずついろんなところから壊されて行って、今ではDYGLみたいなのも出てきたりして。
ただ、サカナクションの一郎さんが絡む企画だから、日本語の美しさとか意味っていう物に重きを置く人も多かったのは、自然なことと思います。僕もそこはサカナクションの大好きなところです。これが、多分川上洋平あたりが司会だったらまた変わるんだろうなー、とは思いますけどね。
さて、先ほどもちらっと書きましたが、なんと音楽のススメ第2回収録もなんと当選してしまって、もう収録&放送は住んでおります!その模様は、またMUSICA掲載を待ってお届けしたいと思います。とりあえずあと三回分かな?