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ハマでは新機軸のジュリアン

Base Ball Bear全曲レビュー part2

ベボベの全盛期っていつなんだろう、って時々考えるんですね。

例えばYouTubeのMVで1番再生回数多いのは「short hair」なんですよ。その時期なのか。

あるいはROCK IN JAPANでメインステージのラインナップに名を連ねてた2013年前後なのか。

それとも『C2』『光源』と評論家筋からかなり高い評価を得ている「今」なのか、とか。

 

でも、怒涛の勢いでタイアップを多く獲得していて、キャリア初の武道館公演も行った「changes」〜『LOVE & POP?』の時期、と考える人もとても多いと思うんですね。

 

ところが、インタビュー各種を見ると、どうもこの時期は、特に小出さんにとってかなり「闇の深い」時期であったことがわかっています。

 

 

そういった経緯も含めて、今回のレビューで取り上げていきたいと思います。「抱きしめたい」から「Project Blue」「東京」まで。

 

 

 

colorfulwhite2.hatenablog.com

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シングル『抱きしめたい』

1 抱きしめたい

まず、大前提として『C』リリース後ageha springs玉井健二さんがプロデュースに入った、ということが大きいんですよ。

1番大きいと思うのは、シャウトを滅多にしなくなった、「歌」という部分を意識して聴くことが多くなったことです。

2 彼氏彼女の関係(新しい関係 Version)

僕このバージョンが好きすぎるんですよね。

曲のレビューは前回分参照ということで。

 

シングル『ドラマチック』

1 ドラマチック

実は「爽快感」という要素とか感触はこの曲にはあんまりなくて、BPMも136くらいだし、ギターのソリッド感も少ないです。ちょっとした緊迫感というか、手に汗握る勝負を彩る曲ならこっちの方がいいですよね。「おおきく振りかぶって」見てないけど。

2 透明26時

檸檬」が象徴的に使われたことを前提にした上で「檸檬より柘榴」ってワードが出てきてるのがちょっとポイントで、小出さんがずっと書いてきた「君」像の引き出しがどんどん出てきてるんですよね。

3 夕方ジェネレーション(新しい夕方ver.)

アレンジの洗練具合と同時に、シャウトとか声のエフェクトとかコーラスが加わっていて、より出来が良く、より荒々しいエモーショナルな方面に向かっているという二律背反な感じがこのトラックの特徴かなと。

 

シングル『真夏の条件』

1 真夏の条件

僕正直言ってこの曲そんなに好きじゃなかったんです 笑

でも、こないだのフルカワユタカ さんのイベントで歌ってたのを聴いて印象が大きく変わりました。この曲の本質って歌謡曲チックなところであり、色気なんですね。

2 極彩色イマジネイション(新しいイマジネイション ver.)

この曲のチョイス自体は、これまでリテイクが入った曲たち同様「インディーズ期の代表曲」たちであるということと、あと「真夏の条件」の色味にだいぶ近いところを感じる、っていうところもあるんじゃないでしょうか。熱にうなされて赤黒い感じというか。

 

シングル『愛してる』

1 愛してる

MVを見るとわかりやすいのが、男3人は服をひたすら脱いで行くけど、関根さんは時折服を着るんですよね。

得てして、そういいものなんだと思う。

2 カジュアル・ラヴ

 この時期の完成で作った「SAYONARA NOSTALGIA」なんだと思うんですけど、「SAYONARA~」が日常風景のドキュメントだとすればこの曲は同じ日常風景でも小説的だという部分で大きく違いますね。

3 愛してる [Karaoke ver.](カラオケ・バージョン)

カラオケバージョンが収録されてるのは、この後「ファンファーレがきこえる/senkou_hanabi」とエクストリームシングル三枚のみで、この前後には全く含まれてません。なぜ唐突に入ったのかといえば、たぶん次の曲があるからだと思う。

4 愛してる [史織ロケッツ ver.](史織ロケッツ・バージョン)

玉井さん、元気ロケッツとかやってた方なのでその方法論でアレンジした曲になるわけですけど、リアルタイムで聞いてた記憶を思い返しても正直Perfumeの影がちらついて仕方ないです 笑

 

アルバム『十七歳』

1 17才

最近はアイドルネッサンスの方をずっと聴いてたんですけど、改めて聴いた印象は「キー低っ!」です 笑

このころ、「aimai  memories」評でも述べたように「リアリティのある青春」を歌うことで「ノスタルジアに浸りたい」という構造で、そういう状況が、リアルタイムな心境を歌うことになる「二十九歳」と似てはなるものだと。

そういや結成2001年なので、今年はベボベも17才ですね。

2 ドラマチック

そういえば僕がベボベを知ったきっかけの曲です。

たしか曲だけ知ってて、アルバムにこれが入ってて「あーこのバンドの曲か」ってわかったんですよね。のちに。

3 抱きしめたい

ベボベの「卒業ソング」「青春ソング」は所々あって、特にインディーズの時期に色濃くあるんですけど、「17才」も含めて春の雰囲気を感じる作品とかアルバムは今後あんまりないですよね。(明言してないのもあるけど)

4 ヘヴンズドアー・ガールズ

最初は「つよがり少女」みたいな感じかなって思ってたんですよね。

でも、よりこの曲は「君」に対して一歩引き気味というように思うんですよ。「屋上で試してる 飛び降り占い」だから、やってることはよりハードになってるんだけど。

5 愛してる

小出さんの歌って直接的に失恋する描写、あるいは失恋している瞬間ってわかりやすいものだとこの歌くらいで、別れかたにいろんなバリエーションがあるんですよ。普通のポップスに比べて心情の吐露とかも全然無いし。

SEVENTEEN ROMANCE

どういう関係性なのかは明示されてないから想像するしかないんだけど、多分他の曲と比べたら場合に、「死別」でも「転校」でもなく、心理的に距離が開いてる状態、シンプルに考えるならフった/フラれたんだと思うんだけど、そういう曲なのかなって思う。

7 FUTATSU NO SEKAI

今生きてる世界はそれとして、それとは別に「秘密のやりとりも/いつものベイエリアも/口癖のごめんねも/必要なくなるのに」って歌詞すごくないですか。「もし2つ世界があれば/普通の2人であれたのかな」ですよ。

8 真夏の条件

歌いかたのニュアンスとか質感による表現ってあると思っていて、例えばamiinAみたいな若い女の子のアイドルにオルタナティブロック歌わた時のような「違和感」の質感って、ボーカルの要因がとても大きいと思うんですよ。

玉井健二さんがベボベに、というか小出さんに与えたものってここがとても大きいんじゃないかって思う。

9 青い春.虚無

多分「カジュアル・ラヴ」とこの辺りで小出さんの中に「カッティングが武器だ」って思ったんですよきっと、カッティングと16ビートと4つ打ちっていうね。

あと実は関根さんのベースラインが好きで、今だと完全にファンク的な横ノリのグルーヴ感になってるけど、この曲あたりはまだ軸足がギターロックのそれにあって、これはこれで好きです。

10 WINK SNIPER

多分この段階ではじめての関根さんメインボーカルですね。関根さんじゃなくて「ウインクスナイパーさんですけど。

ウインクスナイパーさんのこと僕は見たことない(はず)だし、関根さん人妻なので、もう見れないんじゃない買って思ってます。

11 協奏曲

近年のアルバムに1枚は長尺かつナイーブな内面を吐き出すような、すごく落ち着いた歌が入ってるんですけど、この曲はただただ祝福に満ちてる曲で、今改めて聞くとめっちゃ違和感です。小出さんこんなまっすぐ幸せな歌歌えるんだみたいな(失礼)

12 気付いてほしい

この後から年1〜2ペースでレゲエとかダブ取り入れてて、その最初の曲ですね

あと、特にメジャー以後のベボベのアルバムの最後の曲は、『C』における「ラストダンス」のように、大きく方向転換しているorストーリーを思いっきりひっくり返してる曲な訳ですが、今回は「キラキラな青春の中の闇」だと思っていて、実はこれだけ「LOVE&POP」の世界観なんですよね。

 

DVD『映像版『バンドBについて』第1巻』

1 若者のゆくえ

ベボベ4人体制下において、「4人以外の楽器の音は入れない」という制約がありました。その制約の、最初の例外がこの曲になるわけですね。

スーパーカーをカバーするために元々ピアノができる人として関根さんがバンドに入ったので、ある意味最初はこうなる可能性もあったんですよね。

 

シングル『changes』

1 changes

じつは『十七歳』のラインの上にある曲というか、『LOVE&POP』が結果ああいうアルバムになってしまった以上究極に浮いた曲になってしまってる。

2 SUMMER ANTHEM

MVのライブ映像見れば、小出さんが弾いてるギターがいつもよく見るテレキャスターじゃなくレスポールタイプであることにびっくりすると思いますが、僕は小出さんがこれ弾いてるの見たことないです 笑

3 FICTION ONCE MORE

「君のDVD」っていうのは、当時小出さんが割とあちこちで話題に出してたグラビアの石井めぐるさんですね。

ライブに行ったら歌ってて小出さんがハンドマイクで気だるげに歌ってるのが印象的です。

4 ドラマチックとエレサマ

CDJ07/08の演奏です。後にMステに出た時「キャパシティ1万人のステージに15,000人が駆けつけて入場規制に!」って紹介された時の演奏です。時代の移り変わりを感じる。

 

 

 

 

 

シングル『LOVE MATHEMATICS』

1 LOVE MATHEMATICS

これのリリースが09年の1月で、『完全版「バンドBについて」』と同日発売で、ちょうど僕は大阪旅行してた時にUSJの街頭ビジョンでこれのMVがめっちゃ流れてました。

競合があまりなかったのもあってオリコン5位になって、一気に駆け上がった感じがありますね。

2 SCHOOL GIRL FANTASY

これ確か最初配信限定だったんですよね?

あとベボベの曲で初めてドロップD(6弦だけ1音下がる)のチューニングで演奏されてます。僕のイメージだとラウドロックとかインディーロックに多い印象で、日本だと髭がドロップDめっちゃしてた気がする。

3 若者のゆくえ (弦楽グラデュエーションver.)

DVDに入ったところから、さらにストリングスが加わってます。アゲハスプリングスなのかな?(玉井さんが主宰してる作曲/編曲家集団)

ちなみに、仮題が「若者のすべて」だそうです。最後の花火にです。

 

シングル『神々LOOKS YOU』

1 神々LOOKS YOU

映画「鴨川ホルモー」の主題歌だった訳ですが、「うだつの上がらない主人公がどうにかその一歩目を踏み出す、その瞬間」と「少女と鵺」みたいな浮世離れした感、都市伝説感が合わさって、それでなんで爽やかなんだよ!って言う。

2 image club

なぜか2016年の人気投票1位。何故だ。サカナクションは満場一致で「目が開く藍色」なったのに。

一応言うと、当初サードアルバムのタイトルであり、一曲目にこれがなる予定だったらしい。なにそれ聞きたい。

3 BOYS MAY CRY

人気投票上位だし、ベボベの中で1番好きな曲です。資料によって「岡村ちゃんになりたい」「SMAPになりたい」と意見が分かれてて困惑します 笑

「彼氏彼女の関係」のサビにも出てるこのコード進行のカッティングで、ペース落とすと「不思議な夜」になることが、個人的にギター練習していて気がつきました。

 

シングル『BREEEEZE GIRL』

1 BREEEEZE GIRL

北乃きいのCMが素晴らしすぎたせいで勘違いしがちなんだけど、これ最後まで男の子側の心情が歌われてるから、「愛してる」と大差ないんだよね 笑

2 BREEEEZE GIRL Ⅱ

もともとあった曲で、かつ デモ段階でのタイトルは「エレクトリックサマー」だったらしいです

サウンドの(半分事故みたいな)ビリビリ感はインディーズ時期の再現と言われれば納得出来そうですが、あくまでその時のベボベの歌にアップデートされてると思う

3 LOVE MATHEMATICS(渋谷会"TRUE LOVE"REMIX)

小出さんのお友達によるリミックスです。

真夜中のニャーゴでたまに話してた、誕生日に友達に拉致され紙袋被せられ渋谷を駆けずり回されたとか、その人かなって思うんですけど

 

シングル『Stairway Generation』

1 Stairway Generation

銀魂の主題歌であることはやはり意味合いが大きくて、太鼓の達人とかドラムマニアとかそういった音ゲーに軒並みこの曲が収録されたりしたんですよ。

この時期に求められてた、明るくてポップでキラキラな青春バンドってのを最大限に徹底できていたらどうなってたんだろう。

2 USER UNKNOWN

これも人気投票上位だったんですが、この時期のカップリングの曲の出来の良さってほんと異常で(人気投票トップ20にカップリングだけで3〜4曲入ってる)、要因としては間違いなく「出来はいいけどアルバムの仕上がりに合わない」ことだと思うんですよ。

3 恋愛白書

これも僕が見たライブで小出さんが弾き語りしていました。

モチーフは「BOYS BE…」です。

 

アルバム『(WHAT IS THE) LOVE & POP?』

1Stairway Generation「Don't Belong, But Already No Retreat」

そしてベボベ最大の問題作になる訳ですが、ギターロックにXTCとかの要素と合わせた『C』、歌と歌詞と世界観の構築っていう武器が増えた『十七歳』の次の順当な後継作として上記のカップリングの曲みたいなのかきちんと拾えていたら、きっと近年のシティポップの流れなんかずっと先駆けてすごいことになってたと思うんですよね。そうしていたとして、今もベボベが続いていたかはわからないけど。

2 SOSOS「Scream」

勘のいい人はこの辺で多分「おっ…なんだ大丈夫か…?」となったと思うんですよね

このアルバム、実は音楽業界内外からコメントを集めてて(新日本プロレス棚橋弘至から、とから)多分レーベル的にもバンド的にも世間に訴えかけていく勝負の時期だったんだと思うんですけども。

3 changes(Album ver.)「Morning Always Comes (For Better or Worse)」

リテイクがかかってて、ドラムのパターンとか湯浅さんのギターの音色はガラッと変わってるし、細かいところだと例えば落ちサビのあとの声にエフェクトがかかってたり、ボーカルも撮り直したんですけどやっぱりどことなく暗いんですよね。それがかっこいいんだけど。

4 神々LOOKS YOU「Like a Sponge That Absorbs All Fear」

前トラック「changes」に入ってる替え歌が歌詞載ってないので書き起こししてみると

「夕方世代を行き過ぎる僕も/ようやく胸を撫で下ろしました 

暗黒時代に背を翻し/僕は助かったつもりでした」となります。

5 LOVE LETTER FROM HEART BEAT「Punch You Out, Who Said Love Is Subtraction!」

冒頭と終盤関根さんの声に加工をかけたものが載っています。

曲の構成上、普通音を減らして落ちサビを付けて緩急つけたら曲盛り上げにかかるんですけど、この歌は落ちサビのテンションのまま曲がしっとり終わっていく 笑

6 ホワイトワイライト「A Time When 'To Believe' Meant Everything」

この曲だけ、インディーズの時期のさらに前の自主制作してた音源に入ってた曲です。

流石にその時代の音源が手に入んなかったし、他の人にとってもそうだと思うので今回はレビュー対象にしません、ご了承ください

 

7 BREEEEZE GIRL「To the Girl Who Ran Deep Into My Heart」

8 LOVE MATHEMATICS「Too Happy, the Happiness Inside My Head」

心情的にアルバムモードに入りきってる「Stairway Generation」はともかく、この2曲と「changes」「神々」と言ったシングル曲たちは歌詞の面でもサウンド面でも完全にこのアルバムの中で浮きまくってて、曲順とかも苦慮してたのかなあ、とか色々

 

9 SIMAITAI「The End of Me ≒ The End of the World / If Our Paths Cross...」

「4人で鳴らさない音は入れない」という制約をはみ出す曲として、この曲はリードギターの音にエフェクトをかけてオルガンの音色にかなり近い音を出しています。

どこまでがベボベの音としてありなのかという部分で、これはあり、という判断なんですね。

10 海になりたいpart.2「Don't Cry, Cypress Tree Girl, Don't Cry」

このアルバムが出た直後のツアーも、別のツアーでも、湯浅さんが脱退したあとの弓木英梨乃さんとのライブでも、ものすごい熱量で4人全員が音をかき鳴らす姿がすごい印象的です。

11 レモンスカッシュ感覚「And What Was Left Was Just the Haze of That Day」

歌詞の世界観だけではなく、実は録音体制も『夕方ジェネレーション』の時と全く同じである、という部分がこの曲の大きな特徴だと思う。

この曲、バンド史的に実はすごい大事だと思うんですよね。「青春の学生時代を歌うのがしんどくなってきた」ということを自覚してしまった時期の曲。だから、これ以降に、バンドの軸が何かってのを模索していく、その取り組みが3.5thアルバムなんじゃないかなと。

12 ラブ&ポップ「The Walls」

サブタイトル繋がりでNICO Touches the Wallsの話をさせて欲しいんですけど、彼らってどんなに自分が情けなくてもまず歌い切るし、その様がすごく前向きで力強いんですよね。人柄とか制作体制もそうだし、ベボベにはない「ブルース」がバックボーンにあるのも大きいと思うんだけど。

ベボベの話に戻ると、少なくとも当時の小出さんは、そうやって自分の迷いや苦しみを歌にして歌うことは出来て、それを聞いてみんなが共感したりしていたとしても、そこにポジティブな感情って本人もリスナーもし得なかったと思うんです。傷を舐めあって心理的に落ち着くけど、消毒液とか絆創膏にはなってないというか。なんだこの例え。

12.5 明日は明日の雨が降る「Love All, Hate All」

このアルバムほんとうに歪で、あんなに冷静で客観視できる小出さんが、泥沼の中でもがき苦しみまくってる、「つよがり少女」「君のスピード感」「ヘブンズドアー・ガールズ」での「君」の描写がまるっと僕にひっくり返って来ていて、聴くのもちょっと辛いレベルに感じる人も、すごく多いと思う。

そして間違いなくこの曲が、ベボベというバンド最大のターニングポイント。

 

 

アルバム『CYPRESS GIRLS』

1 十字架You and I「My Cross To Bear, Your Cross To Bear, Their Cross To Bear」

MJになりたかったとしか思えない歌い方と、そのせいでいつのまにか「ダンス湯浅将平」曲になってた。

MVがアニメーションなんですけど、制作は現在「ポプテピピック」で話題の神風動画。だからか。

2 BAND GIRL'S SPIRAL DAYS「Spinning Staircase, Soda Sadness」

久々な「SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT」感の曲。フェードアウトで終わるこの曲、完全にコピペで作られている一方、「波立ってる」→「涙ってる」と評価が変わってるのが細かいポイントです。聞いてる限りは変わらないんですけどね。

あと「世界の終わりには 紅茶飲めないから」。そういえば湯浅さんはミッシェルガンエレファントが大好きです。

3 Shine On You Cypress Girl「You Deserve To Sparkle」

すっごく細かい話をすると、堀之内さん初のコーラス収録だそうです 笑

サイプレス=糸杉、花言葉は「死」、タイトルはピンクフロイドが元ネタだったりサウンド面でXTCを意識した部分を公言していたり、その面で「BRACK SEA」とかあの辺りの延長線上なんですね。

4 beautiful wall (DUB)「Door With No Handle」

先日クラブミュージックに関するブログを書いたんですけど、あの後もいろいろ聞いていたんですが今のクラブシーンでダブステップ流行ってるんですよね。

ブチ上がるためにトラップを取り入れてる昨今、内省的に心情を掘り下げるためにダブステップ持ち込んでるのがすごく対照的です。

5 kamiawanai「僕の声」

「翼広げて さあ羽ばたくというのなら/僕はこの足で階段を駆けるよ」ってのは、3作目の意匠返しであり、同時に「バンドを見つめ直す」「ソングライターとしての自分を見つめ直す」という部分も含んでたはずで、現にこの二枚組はタイアップのないセルフプロデュースなんですね。

6 kimino-me(+ ICHIRO YAMAGUCHI from SAKANACTION)「Cloud Only Love My Self Through Your Eyes」

サカナクション山口一郎さんとのコラボ。

ベボベはこの時期前後にサウンドにクラブっぽさとかダンスミュージックの要素を取り入れ出してるんですけど、一方サカナも「Aoi」なんかで山口さんがテレキャスター(小出さんがずっと使ってるギター)使い出したりしています。

檸檬タージュ「Precious Now Those Days, All A Blur

歌詞の大元は小出祐介詩集の書き下ろし作品で、また手が加わってるそうなんですが、その本僕は買いそびれたのでわからないです 笑

そして「十字架You and I」と同時にこの曲が、小出さんの歌うベボベにとって「檸檬」というアイコンが出てくる最後の曲、となるはずでしたが7年の時を経て『光源』収録の「SHINE」で復活を果たします。この意味合いはとても重くて大きいと思ったので、次回きっちり書きます。

8 Project Blue「胸いっぱいの、青を」

 『CG』は自分の内面のことを掘り下げてる歌が多くて、次にレビューする『DB』は「君への思い」の曲なんです(ゆえにkimino-meは本来『CG』の曲)

前回から書いてる「小出さんのボーイミーツガールには続きがある」という話で、僕の君への想いと裏腹に君の想いは僕とは別のところにあるっていう話。僕は何をやっても「あの子はずっと死にたがってる」「あの子は僕じゃなく違う方向を向いてる」みたいな。

最後の逆再生は「凛としたブルー 鮮やかに海海に/凛としたブルー 鮮やかに僕を染めてくれ」と歌ってます。

 

アルバム『DETECTIVE BOYS』

1 クチビル・ディテクティヴ(+ acco + 呂布)「KISS→LIP→MOUTH→HEART」

色々楽しいところ満載だし、MVも楽しいし、例えば弾き語り風味とかじゃなくちゃんとアコギが効いたサウンドもこの曲が最初なんだけど、いっちばん最後のあっこさんの照れ笑いだけで、もう、最高ですよね。

2 Transfer Girl「August, Midnight, Moonlit, Poolside, RENDEZVOUS (What if you come...? What if you don't come...?)」

僕の記憶が確かなら、以前の人気投票の結果発表のニコ生において小出さんがトップ3予想してたのはこの曲だったかと思う。

心理的な別れでもなく、「死別」ではなく、「転校」という物理的に距離が離れて行くパターンですね。

3 BOYFRIEN℃「Killer Encounter」

なんにせよ湯浅さんのシャウト!これに尽きる、というかこの曲出たあたりで湯浅さんの前にマイクが置かれるようになったんですよ。昔の映像見たらマイクないですもん 笑

4 LOVESICK「All I Wanna Do Is See You」

関根さんメインボーカルであり、恒例のダブっぽいコーナーです。

関根さんのボーカルにモジュレーションみたいなゆらゆらする加工がかかってるのが特に印象的です。

5 WHITE ROOM「ふたり」

17年のツアーで小出さんが弾き語りしたんですけど、そこで歌われた曲です。

勝手なイメージは、エヴァ使徒と戦ったあとシンジくんが病室みたいなとこで目がさめるじゃないですか、あのイメージ。

6 星がほしい「Light Your Darkness-Must Be Strong-Make A World You Can Disappear To-Must Be Strong 」

本当は「CG」側の曲。君が好きじゃなくて、自分の心境の歌ですね。

聞き返してみて、この曲で歌ってることが実は「魔王」の真逆だなって思った。

「誰かを照らせるくらいの星が欲しい」と願わなくなった今、小出さんはバンドで、楽曲提供で、本当に明るい曲を作って、みんなが曲を聴いて感動してる。

「君のことを照らしたい」と願わなくなった小出さんに、みんなが光を感じてる。

7 歌ってるんだBaby. [1+1=new1 ver.]「What Is Fun? What Is Right?」

もともとスーパーカーのナカコーさんがill名義で2010年にリリースした『∀』で共作した「歌ってるんだBaby」があって、そっちではナカコーさんが歌って小出さんがラップしてるんですが、いつの間にか逆転していて、それを僕は後追いで知りました。

8 東京「胸いっぱいの、愛を」

「東京生まれ」という曲が2006年ごろにできて、それはラジオCMに使われた曲だったんですが収録されず、そのままお蔵入りになってこの曲のこういう形で収録されて、「東京生まれは後に「不思議な夜」のボーナスディスクに収録されています。

 

 

 

 

<小括>

 

十七歳〜LOVE&POP当時にベボベを知ったって人はめちゃくちゃ多いと思うんですよ。

ファンになった人もいれば、存在知ってるだけで好きではない、みたいなのも含めて、ある意味今のベボベのファン層の土台になってる部分は多分に存在していると思います。

 

やっぱり「LOVE&POP」の存在って高くて、本当に当初の予定通り

・1曲目の「image club」から始まる

・アルバムの中心は「BOYS MAY CRY」「USER UNKNOWN」「恋愛白書」

・製作時期的に「LOVE MATHEMATICS」「SIMAITAI」あたりは入る

・まるっきりカットはしないけど、暗い闇の側面は全面的に抑える

・そのかわり最後シークレットトラックでキラキラポップな世界観を思いっきりひっくり返して、無情。

 

みたいなアルバムだったら最高だったんじゃないかなあって思って、プレイリスト編集したりしてました。

 

 

 

 

次回のメインになる話を2つ。

3.5thアルバムの時期以後、「十字架You and I」なんかわかりやすいと思うんですけどドラムとベースの技量がものすごく上がっていって、最終的に『二十九歳』『C2』あたりになって、もうバンドのグルーヴ感とかバンドとしての構造思いっきり変わってるなってことにみんなが気がついたんですけど、下地はこの時期なんですよね。

で、はっきりいえば湯浅さんの脱退の根底はここなんじゃないかって思ってるのがまず一個。

 

 

2個目は、3.5thアルバムはひっさびさに使われた「過去のベボベの武器」が色々出たんですよ。関根さんメインボーカルとか、ギター持った女子高生とか。

その1番大きい面として、めっちゃヘビロテされた、ベボベといえばこれって未だに思う人も多い「檸檬」が、この後7年間ベボベの曲には出てこなくなったんですよね。そして7年ぶりの檸檬曲は「SHINE」という曲です。

 

 

 

 

 

次回そのあたりがメインになります。よろしくお願いします。