ベボベ「EIGHT BEAT詩」小ネタ集
『C3』全体のレビューはまあ改めてやるとして、ついにこんな歌がベボベから放たれるとは。
これまでも「真夜中のニャーゴ」や「ウィークエンド・シャッフル」等の企画でBase Ball Bearというバンドの足跡がかたられてきました。
それを参考にこんな青い文も書いたりした
しかし、遂に歌の中でこれが語られるとは!しかもベボベ史(そんな学問まだ無い)においてかなり後発である「小出さんのラップ」と「チャップマン・スティック」を用いた楽器である、というのがもう、ファン心を擽られまくってます。
というわけで、ゲームの攻略wikiくらいの分量で小ネタを拾っていきます。
Back to the 2001年 午後イチの体育館で鳴らした精一杯のスーパーカー 別に待たれてないしバズりもしない だけど見えた気がした淡い未来
これは、小出・堀之内・湯浅・関根の計4人が揃った学校祭ライブということになります。堀之内さんを引き抜いてこの四人になったのかな。
「今日でやめる」そんな約束 捨てさせた一通のEメール
本番直前に小出さんと堀之内さんが大喧嘩をし(原因は小出さんがスパルタすぎてから、らしい)、堀之内さんが学校祭後辞める予定だったものを小出さんが引き留めたと。
デモテープ 送りつける 正真正銘のグレートハンティング
当時からEMI社が行っていたオーディション「GREAT HUNTING」。出身者には、この後に運命的な出来事がおこる「赤い公園」も。
すぐに連絡きて 喜びすぎて 腰が抜けて座り込んで 渡り廊下のストレンジャー好きにすりゃいいじゃんここでの イス取りゲームは
ここ、当時の小出さんが人生最悪レベルに環境が悪く、あげく青春を拗らせた場面になります。
椅子とりゲームの件は『光源』「リアリティーズ」でも「誰かでありたいなら/席につくことさ」と歌われました。
EMIで面談 するつもりはない観光や記念には 速攻でブッキング 初ライブ そして、Studio TERRA デモレコーディング
Studio TERRAはEMIお抱えのレコーディングスタジオで、2010年6月に閉鎖されました。
ベボベだけではなく数多くのバンドから愛されており、その年寺子屋というユニット名義で「EMI」(エミ)がリリースされました。
作詞野田洋一郎、作曲野田洋一郎と吉井和哉。寺子屋のメンバーは、ACIDMAN、the telephones、西川進、フジファブリック、ホリエアツシ(ストレイテナー)、RADWIMPS、吉井和哉。
この様子は、後にEMI ROCKSというフェスでも披露されました。ちなみにフェスでの出演者としてベボベも参加。
下北(沢)GARAGE 今じゃ僕らの聖地 出会った年上のバンドマンへあなたたちにもらった沢山の叡智や友情は心に残るエール くじけそうな時、想う魂 昼まで語ったムダ話 どこからきてどこへ行くのかを綴る これは Just like EIGHT BEAT詩
この辺はこちらも参照
ちなみに僕も中音の意味が最初わからなかった
経て、2005年 決まった事務所はSMA 担当マネージャーは徳留
通称「ハムちゃん」。美人さん。
グランドキャビンで全国を行脚
ハイエースワゴンの中でも10人乗りのかなり大きいモデルですね。機材車兼移動車となるものです。
勉強させてもらう先輩の前座
この当時前座を務めていた相手の先輩にDOPING PANDAがおります。
ご存知の方も多いですが、4人組として活動していた2016年に湯浅さんが脱退。湯浅さんと交流のあったドーパンのギタリストフルカワユタカさんがサポートとして参加したわけですね。
ただこの時はフルカワさんは、後輩の礼儀や態度の面でご立腹だったそう。
デビューの準備 日に日に 追い詰められてかなりギリギリ メジャーは厳しい それでもひねり出した「GIRL FRIEND」は金字塔
メジャーデビューEP「GIRL FRIEND」は4曲入りですが、カップリングとなった3曲は早いタイミングで完成してました。三曲の中から表題曲を選ぶのだろうと予想していたメンバーに対し、当時のディレクターが放った一言は「じゃあシングル曲作ろっか」と。
そして、いつの間にか目の前に広いステージ 風でめくりあがってゆくページ 全くない手応え 響かない声 冷え冷え 壁そびえ立ってるようで
中でも一番トピックとして語られているのは2010年1月3日の武道館公演で、これが本当に手応えがなかったと語られることがあります。
なぜだ?なぜだ?なぜだ?なぜだ? ディレクターにたずねた 「その手から誰かの手に渡すのが“表現” どれくらい向き合ってきた?」
この一言を受けて、「じゃあどういう表現をしたいのか?何を歌いたいのか?」を突き詰めた結果できたのが、初のセルフプロデュース作品でもある3.5thアルバム「Cypress Girls」「Detective Boys」になります。
聞いてるか? あれから片時も忘れてないし 一生奢るつもりもない 穴のあいた砂袋 中身 君に届けるための苦労に命賭けよう 旅に出て 君の街まで 爆音で胸の奥の奥へ どこからきて どこへ行くのかを探す それは Just like EIGHT BEAT詩
最近の曲「いまは僕の目を見て」でも「言葉は穴の開いた/軽い砂袋さ」と。
突然もげた片翼 狂うバランス 無様に羽ばたくイカロス 長い青春 終わりのチャイム
ここは湯浅さん脱退に関する部分。
「片翼」というのは当時ツインギターの一翼を湯浅さんが担っていたから。物理的に2パートないと演奏できない曲が多かったため、移行期間としてフルカワさんや弓木さんなど、サポートギタリストを入れた4人組でライブを続けました。
…とここまで書いて思いましたが、実はFF7のイカロ…セフィロスのことかも。イカっぽいセフィロスだからイカロス。ボス戦のBGMが『片翼の天使』です。今となっては、ケニーオメガ選手の必殺技の元ネタとして有名ですね。
……いや、これは逆転のための合図 だったら試す どれっくらいイビツになろうが自力の三点倒立
当時の「真夜中のニャーゴ」が、あまりにも悲壮感たっぷりだった(ように見えた)のですが、それでも「こういう逆境をドキュメントとして曝け出すのもベボベ的」という小出さんの発言は力強かったです。あと隣にいた南波一海さんの「大丈夫だよ!俺もバンド辞めてるし!」は笑った
ギター・ドラム・ベース 輝くフレーズ
「ポラリス」より抜粋ですね。
駆けてゆく 豊穣の季節
シャドバにしか聞こえない
失くしたもの数える作業より想定外の自分を愛しなよ
「神々LOCKS YOU」の歌詞から引用
生まれ変わってきた現実 まさに実践編のchanges
誰が見ても明らかな過去作オマージュ。
かつてこの曲をどうしてもアルバムに入れたくなくてアレンジガチャガチャにしたとは思えない。
示してく 生き様で訴求 刀選ばない侍がいまRock you なおも涸れることのない探究心 両腕で抱いたこのチャップマン・スティック
ストーンズのように クラプトンのように いつまでもRollin' Rollin'
2組とも半世紀近く時代を駆け抜けたロックレジェンドですね、
出会いがあって別れがある でも、その度 果実の甘味は増す
これまでベボベの曲で頻出だった果実は「レモン」ですが決して甘くは無い。この時点で、もうベボベ はレモン=青春のコンテンツ力に頼らないバンドになった、とも言えます。
新しい曲を書いて 旅に出て また次の君の街へ AtoZ 書き足してゆくAとBとC いまも Just Like EIGHT BEAT詩